※読み合い企画からのレビューですアンティメテルと呼ばれる羽を持つ種族の主人公が、たまたま放置されたサンダーバードの卵を本能(?)で温め始める──という導入の本作品は、アンティメテルというモンスター視点の一人称が新鮮だ精神年齢の低さを表すような幼げな地の文に、成熟を思わせる知識や愛情が合わさり、このアンバランスさがいかにも人外といった感じで非常に面白いサンダーバードの卵が孵ってからもドタバタ劇は続くので、物語がどう着地するか楽しみだ
主人公が人外という設定の作品は数あれど、その主人公が出産のために人間と取引するという展開はなかなかお目にかかれません。しかしこの作品は、そんな一風変わった展開を繰り広げつつも、「鳥人間」と言うべき種族を楽しく描き出しています。
ほんわかしていて、心から安心して読めます。というのも、アンティメテルさんが種族として防御力がすごく高いみたいなので、よっぽどのことがない限りは怪我の描写がないのかな、という信頼感があるからです。あるかもしれませんが、たぶんそれは半分くらいネタだと思います。子育てお母様のほんわか無敵ムーブが見たい人はぜひ。魅力としては別かもしれませんが、モンスターの生態系や世界で暮らす生き物の細やかな描写(設定?)も物語に入り込ませてくれる感じです。のほほんと笑顔になりたい、そこのあなたにどうぞ><