概要
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心霊スポットの正体は結界の穴だった!? 巻き込まれ系主人公の妖怪退治譚
普通の高校生が突然「結界を守れ」と言われて妖の世界に放り込まれる展開、最初は王道かと思いきや、これが予想以上に読ませる。
特に秀逸なのが、主人公の等身大な反応。大鷲の背で「死ぬ!」と叫び、鬼火に謝り、友達を助けるために無茶する――リアルな高校生の感覚が貫かれてるから、異世界の妖たちとのやり取りが生き生きしてる。
亘と汐という妖のコンビも絶妙。亘の飄々とした性格と汐のクールさが良いスパイスになってて、緊張感とコミカルさのバランスが心地いい。
廃病院や妖界での戦闘シーンも、派手すぎず地味すぎず、ちゃんと手に汗握る展開。ダークファンタジー好きなら間違いなくハマる一作です。 - ★★★ Excellent!!!学生たちが巻き込まれる怪異譚が好きな方へ
人界、妖界、(鬼界)それぞれが別視点で展開される同一世界観ものが好きな方にもお勧めですが、個人的には「学校の怪談」「地獄先生ぬ〜べ〜」「夕闇通り探検隊」「トワイライトシンドローム」などを彷彿とさせる学生が主軸となって怪異に遭遇するお話が大好きなので、そんな私と似た趣味の方は特にご一読いただきたい作品です(あと結界系は漫画でいうとサンデー系列に多い印象ですね)。
妖怪ものの王道を逸らしつつ、独自の世界設定の細微さにこだわりを感じます。
妖怪が単に人に害をなす存在ではなく、あくまで人界と異なる世界の住人である点も価値観の違う人と同じ知的生命体として、異邦人と日本人の関係性に似ている気がしま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!面白いです。
するする読めます。
主人公の親しみやすい目線で、スイスイ読み進めるうち、ぐぅっと物語に引き込まれます。
ばさっ、ばさっ……。
人が乗れる大きい猛禽の背に乗り、妖界の山、平地を見下ろし、幻妖京を目指します。商店街があり、宮中があり、着物の妖が往来する都。遠くにはひときわ高い雪山。
幻妖京にはきな臭い気配がし、山の向こうには、何かまだ物語が広がっている気配がします。
それもそのはず。妖界の登場人物は、全く別の物語をバックボーンに持ち、堂々この物語に参戦しているのです。
キャラそれぞれ良いのですが、私は旦《わたり》が好きです。
主人公をからかっては、ニコリ! と大変良い笑顔を浮か…続きを読む - ★★★ Excellent!!!個性的な妖たちに振り回されながら、奏太は己の意志を貫く
旧家の分家に生まれた奏太は、その自覚なく「普通の」生活を送っていた。
しかしある日、本家に呼ばれ「妖界と現界の境界に結界を張る役割」を担うよう一方的に言い渡される。
以前「役目」について説明を受けたことはあるが、よく話を聞いていなかった奏太にとっては寝耳に水。しかしお付きの妖、汐と亘の強引な誘導もあり、否応なしに結界を閉じる役目を担うことになる。
妖界と現界の狭間に近づく役割故、奏太は次第に妖界の事情に巻き込まれていく……
個人的には「現実世界のすぐ傍に、人間世界と全く違う論理で動いている異世界が併存している」という世界観が好きなので、妖界という異世界が併存する本作の世界観には強く惹かれま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!守護者に選ばれた少年の奮闘
主人公が育った山に囲まれた集落では、神社に祀られた大きな岩に触れ掌が光った子供は、鬼や妖が住む世界と、人間が住む世界を隔てる結界を守護する役目を担う。
大人になったある日突然結界の修復を命じられ、最初は戸惑っていた主人公も、徐々に力をつけ頼れる守護者へと成長していきます。
物語のテンポがちょうど良く、先の展開が気になって次々と読み進めていました。
色んな妖怪が出てくるので、僕のような妖怪好きには堪らない小説です。
妖怪はよく悪役にされてしまいますが、味方にも妖怪がいる所もいいです。
妖、鬼、怪奇、という言葉が気になった方は、ぜひ読んでみてください!