面白いです。

 するする読めます。
 主人公の親しみやすい目線で、スイスイ読み進めるうち、ぐぅっと物語に引き込まれます。
 ばさっ、ばさっ……。
 人が乗れる大きい猛禽の背に乗り、妖界の山、平地を見下ろし、幻妖京を目指します。商店街があり、宮中があり、着物の妖が往来する都。遠くにはひときわ高い雪山。
 幻妖京にはきな臭い気配がし、山の向こうには、何かまだ物語が広がっている気配がします。
 それもそのはず。妖界の登場人物は、全く別の物語をバックボーンに持ち、堂々この物語に参戦しているのです。

 キャラそれぞれ良いのですが、私は旦《わたり》が好きです。
 主人公をからかっては、ニコリ! と大変良い笑顔を浮かべる旦は、めっぽう腕がたち、大きな悔恨を持ち、上におもねることなく、忠義を尽くす男です。
 その悔恨が、どう昇華するか。それもこの物語できちんと描かれます。
 最新話の初夏の雪も、とても面白いですよ!
 

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