概要
★2022/10/31 近況ノートで本作についてのアンケートを実施しています。ご協力くださった方は優先的に作品を読みに行きます。回答はこちらからしてください。
https://kakuyomu.jp/users/MizukiOhara/news/16817330649046297803
★2022/7/15 本作の姉妹作を出版しています! 詳しくはこちらの近況ノートをご覧ください!
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!力を巡る光と陰。非力な少女がやがて「魔術師」になるまで。
国の資源たるクリスタルを守るため、絶大な力をもたらされた人間がいる。
人呼んで水晶魔術師。その一人に選ばれたリビラはその名に相応しいだけの力を持っており、その力もまた治安維持のために行使していた。
一方、才能に恵まれなかったその妹シリカは、日夜人のために動くリビラに劣等感を抱いていて……。
一見するとシリカ側からのリビラへの嫉妬や劣等感のみで埋め尽くされそうなところ、リビラの妹を思う気持ちもまた同じように細かく描かれており、視点者それぞれが客観的に見れる作風をしています。
一方で両親が水晶魔術師であるに関わらず自身は才能にも選ばれず、やむを得ず医者の道を選んだレイク。彼の心もまた綿密に描か…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どんな苦境に陥ったとしても、少女は何度だって立ち上がる
正統派のハイファンタジーが好みで、カクヨムの中で探している方も多いのではないでしょうか?
この作品もまた、重厚な世界観と綿密な設定が魅力的なファンタジーです。
主人公のシリカは見習い水晶魔術師でしたが、優秀な姉リビラの力を奪った敵を追うために故郷を旅立ちます。
「敵」という表現を使ってしまったのですが、第一部を読み終えたところであることに気が付くと思います。「敵」と称された彼ははたして「悪」と呼べるのか? と。
旅を続けていくうちにシリカはたくさんの人たちと出会います。
志をともにする仲間、そして彼らに関わるどの人物にも心があり、葛藤があり、その一人ひとりにドラマがあります。思わず感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ファンタジー世界で繰り広げられる濃厚な「人間ドラマ」
水晶魔術師として人々やクリスタルを守る使命を帯びた少女、シリカ。
決して魔術師として優秀とは言えない彼女は、同じく水晶魔術師である姉、リビラに劣等感を抱いていました。
そんなある日、姉が魔力を奪われるという事件が起こります。犯人はシリカの信頼していたある人物で……。
その日から眠り続ける姉を救うため、シリカは旅立つことになります。
この作品の特徴は何と言っても丁寧な心理描写。
味方のみならず、主人公と敵対する立場の登場人物でさえも、その立場や心情がしっかりと描かれています。
敵となる者たちは、いずれも自分の大切な人とのすれ違いや誤解によって、道を違えてしまった人たちばかり。
その過程が彼…続きを読む - ★★★ Excellent!!!理由のない「悪」は存在しない。
魔術師が存在する異世界。
水を利用し戦う水晶魔術師の見習いシリカは、優秀な魔術師である姉を慕いつつも、劣等感を抱いて暮らしていました。
ある日、信頼していた人物に姉が魔力を奪い取られる場面を目撃してしまいます。
シリカは姉を救うために旅立ち、様々な経験を通して心を成長させていきます。
この物語には、生まれながらの悪者はいません。主人公と敵対する陣営はあるのですが、「悪者」ではない。個人的には、そう思います。
いずれの人物にも、そうなるだけの理由があるからこそ、主人公たちと敵対することになるのです。
このように思わせてくれる理由はやはり、登場人物全員の心理描写が巧みで、敵味方問わず説得…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魔術師たちの心にある光と闇
選ばれた者のみが魔術師となる世界で、優秀な水晶魔術師である姉に劣等感を抱く主人公。劣等感や嫉妬や焦燥や、そういった闇ともなる感情は誰もが抱いているものだろう。
選ばれた者といえども、例外ではない。そうした闇に飲まれるのか、それとも向き合い乗り越えるのか。
魔術師の物語ではあるが、人の心というものを丁寧に描いた作品でもある。何を思い、何を願い、何に焦がれるか。そしてそれを利用した者の思惑は。
すれ違い、道は分かれ、再び出会う。そして通じるその瞬間と、それゆえの続き。
どうか彼らのささやかな願いが報われるように願わずにはいられない。ぜひご一読ください。 - ★★★ Excellent!!!光が大きいほど影は深く巨大になる
第一部まで拝読したレビューになります。
国の資源であるクリスタルを守るために、水晶魔術師と呼ばれる者たちがいる。本作の主人公であるシリカは、水晶魔術師としてまだまだ駆け出しの少女だ。
彼女には同じく水晶魔術師である優秀な姉、リビラがいる。リビラは昔から水晶魔術に優れ、街の人々からとても頼りにされている。そんな彼女と上手く水晶魔術が扱えず臆病な自分を比べて卑下するシリカ。憧れは嫉妬に変わり、嫉妬は毒となってシリカを蝕む。リビラは自分の力を引き立たせるためにシリカを水晶魔術師に推したのだと。
この辺りの心理描写が見事で、シリカの葛藤や嫉みがよく伝わって素晴らしかったです。
そしてリビラの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!願いと絆を勇気に換えて欺瞞の声に立ち向かえ。緻密に織られた成長の物語。
舞台となるのは、選ばれた者のみが魔法を行使できる世界。水晶魔術師でありながら落ちこぼれだった少女シリカが、姉から魔力を奪った人物を追うため、各地を旅する物語です。
魔術の扱いに長け華々しい活躍をする姉の陰で、うまく術を扱えないことに悩んでいた妹のシリカ。自分の抱える悩みや葛藤を姉に伝えられないまま、思わぬ相手に姉を奪われてしまうことで、否応なしに戦いの道へと引き込まれることに。
魔力を扱える人物は非常に希少で、地域によっては魔術師(や類する職の者)が一人しかいない、という場合もあります。強い力を持つほどに負担が増す、という現実。その特別性が、物語の裏側で進む企みと深く関わっているので…続きを読む