理由のない「悪」は存在しない。

魔術師が存在する異世界。
水を利用し戦う水晶魔術師の見習いシリカは、優秀な魔術師である姉を慕いつつも、劣等感を抱いて暮らしていました。
ある日、信頼していた人物に姉が魔力を奪い取られる場面を目撃してしまいます。
シリカは姉を救うために旅立ち、様々な経験を通して心を成長させていきます。



この物語には、生まれながらの悪者はいません。主人公と敵対する陣営はあるのですが、「悪者」ではない。個人的には、そう思います。
いずれの人物にも、そうなるだけの理由があるからこそ、主人公たちと敵対することになるのです。

このように思わせてくれる理由はやはり、登場人物全員の心理描写が巧みで、敵味方問わず説得力をもって描かれているからだと思います。
一人一人の価値観や心の動きが、時には痛いほど読者の胸を打ち、気づけば彼らに感情移入しているはずです。

物語の舞台は異世界で、魔法も魔物も出てきます。手に汗握る戦闘シーンもあります! ファンタジー好きの方々ならば、もちろん楽しめるはず。

一方で、ハイファンタジーはさほど読まれない方々にもおすすめしたいです。人間ドラマがお好きな方でしたらきっと、夢中になって読み進められるのではないでしょうか?

多くの皆様にお読みいただきたい一作です!

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