魔術師たちの心にある光と闇

選ばれた者のみが魔術師となる世界で、優秀な水晶魔術師である姉に劣等感を抱く主人公。劣等感や嫉妬や焦燥や、そういった闇ともなる感情は誰もが抱いているものだろう。
選ばれた者といえども、例外ではない。そうした闇に飲まれるのか、それとも向き合い乗り越えるのか。
魔術師の物語ではあるが、人の心というものを丁寧に描いた作品でもある。何を思い、何を願い、何に焦がれるか。そしてそれを利用した者の思惑は。
すれ違い、道は分かれ、再び出会う。そして通じるその瞬間と、それゆえの続き。
どうか彼らのささやかな願いが報われるように願わずにはいられない。ぜひご一読ください。

その他のおすすめレビュー

千崎 翔鶴さんの他のおすすめレビュー806