第27話 「Universe 25」という実験 2
「Universe 25」という実験を見て感じる事は、恵まれた環境の中で生活すると広大な面積を持とうと縄張りを主張するマウスと、そのマウスに虐げられるマウスが出てきた事が人の社会でも同じではないかと思い浮かびました。
広大な敷地を縄張りとするマウスは権力を持つ人。
虐げられてすみの方に追いやられるマウスは一般市民。
攻撃をするオスマウスはドメスティックバイオレンスで、その結果育児放棄するメスマウスと、その子マウスは生殖活動を止め、やがて出生率が落ちマウスの数が減る。
まるでどこかの国を思わせる内容でした。
幼児虐待のニュースが流れ、晩婚化により出生率も下がった事による人口減少。
権力者の法律によって一般市民の税率は上がる。
何だか似ていると思うのは私だけでしょうか?
「Universe 25」という実験には、後からマウスを外部から入れるという事は無いと思いますが、ここで二箇所で同じ実験を行なって、縄張り争いが発生した時、一方のゲージの中から縄張り争いを行うマウスだけを入れたらどうなるのか?
私の勝手な予想では、縄張り争いをしたマウスが増えた事によって大きな抗争が起こって絶滅が早くなるだろうと思ってます。
縄張り争いをするような強いマウスがお互いに自分の縄張りを広げようとして抗争し、そのとばっちりが隅に追いやられたマウスにも影響を与えるように思えます。
逆にマウスの居住面積を広げる実験は、絶滅までの時間を大きく伸ばす効果があるのではないかと思うのです。
おそらくですが、虐げられてしまったマウスは新たな追加された場所に移動して、新たな社会を作る事で、マウスの個体数が増えると予測します。
実験を見た限りでは、面積に対して、マウスの最大数と絶滅までの時間は比例関係に有ると思えるので、マウスが減少傾向になった時に居住面積を広げた場合、マウスの数が増加に転じるように思えます。
縄張り争いをするマウスというのは好戦的なマウス、虐げられているマウスは温厚なマウスと考えられます。
新たな天地を得られたマウスの中からも同じようなマウスが現れるでしょうけど、これを何度も繰り返す事が出来たら最後には平和に暮らすマウスが現れるのかもしれません。
また、最大数から9割、7割、5割、3割というように個体数が落ちてから面積の増加の実験をしていくと個体数が増えなくなる限界割合のようなものが導き出せるように思えます。
以前、トキの絶滅を防ごうとして必死に頑張ったが、結局、最後のメスの一匹が死んで中国からトキを輸入して繁殖させたという話を聞きました。
絶滅危惧種に対する最低限界数が見込めるように思えます。
絶滅危惧種に関しては、人間の乱獲や土地開発による生存圏の減少です。
これは、マウスによる「Universe 25」という実験とは異なりますが、攻撃するマウスを人間に置き換えれば、状況的には「Universe 25」と同じと考えられます。
「Universe 25」のスタートは、オスメス各4匹のマウスから初めております。
マウスの数が少なくなってきた時に上昇に転じないのは、攻撃される事、育児放棄をされた事から繁殖行動行わないのは、自身の生存に必死な親になってしまい、子供が愛を感じなかった事によると推測されます。
出生率が下がり高齢化が進んでしまう事によって、気が付いた時にはマウスが子供を作れない年齢になっており子孫を作れなくなっている。
絶滅に対する対応策を考える為にも私は「Universe 25」に対して面積を途中で増やす実験結果を知りたいと思います。
特に個体数が減り始めた部分からの追加によって個体数が上昇するかどうかを確認してみたい。
限界に達した後でも繁栄可能だという結果が欲しい。
ただ、面積を追加したとしても絶滅時期を伸ばすだけだと思いますが、また、上昇を始めると証明されれば、何もしなければ接滅するが何かの施策を施せば接滅は魔逃れるという証明になる。
遺伝子を調べる事によって人類は1280人まで人口を減らした時期があるが、それでも現在の人口まで増やしているのは環境に適応する為の努力や発見が有ったからでしょう。
人には知恵が有ります。
過去の結果も含め、恵まれた環境の中に集められたとしても絶滅する未来だったとしても、先に進める未来があると信じたい。
マウスによる実験の結果というのは生物の性のようなものだとしても、何らかの対策を施したら繁栄は続くのなら、知恵を持つ人間なら生物の性も乗り越えて新たな方向性を導いていく事が可能であり、絶滅を乗り越える為に知恵を絞れば良いという道を示してくれるように思えます。
人の世界では、マウスのように面積だけで成り立っている訳ではありません。
単純な世界だから縄張りとして広い面積を占有するというのは権力を得ると同じように思えます。
マウスの使用する面積を、人の生活環境に必要な物に置き換えれば色々出てきます。
この与える物について、人の世界には面積に置き換わる物が色々有る。
権力を持つマウスが、持たないマウスを虐げる事になったとしても、人の知恵が乗り越える事になる。
民主主義の国というのは、権力者を置き換える事が可能です。
多数の人が選挙によって別の候補者を推す事によって、権力者の置き換えが可能となります。
マウスの社会とは違い人の世界、特に民主主義の世界であれば権力者を置き換える事が可能です。
マウスのように黙って権力を持ったマウスにされるがまま好き勝手をされる事はありません。
そういった世界だからこそ、絶滅の危機になったとしても生き残る事が可能なのではないでしょうか。
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