第17話 第4回公判(2)

休憩が終わり、再開された。


検察は引き続き認知について質問をした。

奴は【認知について何が必要かは12月12日前までに聞いて、こうして欲しいというのは直ぐに言ったが本籍が本籍なので認知についての書類の翻訳に数万必要で今手元にないのですぐには出来ないです。】


検察は続けた

【ネット上では起訴内容などについては載ってないですよね、それでも面接に2、3回落ちたと】


奴はネット上に晒されていることを主張し続けた。


そしてベラベラと

【示談内容によっては執行猶予にしたい。被害者にとっても厳しい条件だった為、執行猶予になったらいいなと思っている。】


日本語がおかしいと思い苛立ちが止まらず私は、なんだこの言い訳オンパレードの弁論はと、長くなっていく裁判に苛立ち始めた。


検察は

【なぜ嘘をついてお金を借りようとしたんですか】との問いに

【そう言えばより借りやすくなると思っていました。】


腸が煮えくり返りそうだ。


そしてまた15分の休憩に入ったが、奴と奴のの弁護人、身元引受け人は話し合いで帰ってこず休憩は5分延長された。


傍聴席にからは誰もいなくなり、考え込むかのような検察官と、2人男性が入ってきた。

係の者なのかはわからないがパーテーションを作り始めた。


そして休憩が終わる5分前に被害者の女性が入ってきたようだった。


そして始まり、意見陳述を始めた。

彼女の声からは憎しみや悔しさ、哀しみが滲んでいた。

その声と話を聞き私は涙が出た。


彼女は声を振り絞り泣きながら

【被告人が不動産を経営していることを彼の友人などからも聞き身なりからでもお金を持っているのだと信じていた。刑事裁判になっていない金額は1000万を超えています。令和元年11月に知り合い、12月に会うことになり12月16日から交際を始め、令和元年住んでいるタワマンのお風呂の工事があるとうちに住み込み始め、結婚の話をし始め~お金を使われていたことに気づいた時には妊娠しており、犯罪者の子供を産む気か、警察に行くならお金を返さない等と言い、無理矢理性交渉をしてきたり、寝させないようにしたり、クレジットカードを無断で作成、キャバクラなどで利用され、偽名での代引きなどが未だに届き怖いです。他にも同様被害者が複数いるようで性交渉もしています。18から貯めていたお金や子供の事などどう説明していけば、どうしたらいいのかわかりませんし、実際、被告人はお金を返してくれず無視され食べるものもなく、警察のかたや関係者により本当のことを知り、今でも請求書が届き不安で仕方ありません。クレジットカード等勝手に作られるとは思っていませんでした。これだけのことをしたのに何もしてくれず、自分以外にも他の女性へ同じ事をしていたようです。釈放されてから支払ってくれるとは思えません。被告人が保釈された後、被告人は何もせず飲み歩き、いつか親へ旅行に行こうと貯めてきたおかねを使われこれからどう生きて言ったらいいのかわかりません。子供のことに関しても考えておらず憤りを感じます】と涙声で頑張って話しているのだろうと言うのが伝わり私も悔しさで涙が止まらず泣いてしまった。


彼女の意見陳述が終わると共に少し年のいった女性が立ち去ろうとしたため、話をかけ挨拶をした。



意見陳述が終わり、検察が静かに話し始めた。

【事件は悪質極まりなく、3ヶ月かけ、結婚について信用させ4ヶ月19回に分け引き出し続け結婚をほのめかし、再犯の可能性が高く、供述した後借りているという意識、謝罪なしで執行猶予を求め再犯の常習であり、監督不行届きであることから懲役2年、執行猶予中であり詐欺罪1年2ヶ月、空き巣などあり、更生施設への入所が必要だと考えられます。】


そして奴の弁護人に変わり

【被告人は誓いを述べ約束をしている。深く反省し、更生の可能性があり、誓いについて再犯の可能性はないと思います。】


裁判官は静かに被告人に対し

【意見を述べられるのはこれが最後ですが何か意見はありますか】との問いに


奴は黙り込み


少し間をあけ、


【被害者には申し訳ないと思っています】


黙り込み始め、


私はそれだけかよと憤りを感じずにはいられずその申し訳ないとしか言わない所に反省の色など感じず叫び出したいほどだった。


そして口を開き

【二度としません】

のみだった。



そして次回は1月24日に判決となった。

今回に関してはなんて気分を害す所ではないものだと腸がどうにかなりそうな気持ちでさっさと私はこの場から離れた。



帰り際意見陳述を述べた彼女に話せるかどうかLINEをしたがもう彼女は電車に乗っており、間に合わず話せないまま終わった。


そしてLINEで奴の身元引受け人の台詞や、やつの言い訳などを全て話した。


するとGUCCIの財布やキーケースは彼女が欲しいと言った訳ではなく勝手に買ってきて、渡されたとの事だった。


裁判での誓いなど、嘘つきにはただの台本であり意味の無い誓いの場で嘘を並べ立て言い訳三昧の裁判だったのだった。


その後、私に関しても動かないといけないと考え直し、関係者に連絡を取った。

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