第3話 彼との生活の始まり

そして、3度目の、会う約束はうちに夜ご飯を食べに来るという内容になった。しかし当日彼から姫路に行かなきゃならなくなったから明日でもよいかとLINEが入り、了承した。そして次の日の朝10時頃うちに来たのだった。

急だったので驚いたがそのまま彼をうちに招き入れた。なぜか彼はビジネスホテルにあったボストンバッグを持っていた。そしてのほほんと私の作ったご飯を【美味しいよ】といいながらビールを飲み食べていた。

この日から彼はお酒を飲んで眠いからと今日泊まっていいかと移動言い、仕方ないかなと思い、OKをしたが、その次の日も同じ事を繰り返し、気づけば1週間経ち、さすがに疑問に思い彼に聞いた。


私は彼に【帰らなくていいの?帰った方がよくない?】との質問をした。すると彼は【家は買ってるし家賃が発生してるわけでもないし、会社は人に任せてるし家はハウスキーパーいるから大丈夫だよ】と話した。そして2月に入り彼の行動は謎が深まるばかりだった。


2月に入り彼はうちに来た水道、ガス、電気代、私の携帯代まで払ってくれた。うちに居着き《もし、ヒモみたいになったらどうしよう》という不安は消えたのだった。彼がうちにいる生活が普通になり、私は【今日夜なに食べたい?】と聞き【そういうの聞かれるの、なんかいい☺️】と喜んだ。


鍋が好きな彼はほとんど、ちゃんこ鍋かキムチ鍋、ビールを毎日というルーティンだった。そしてたまに、オムレツ、サッポロ1番味噌ラーメン、骨のない焼いた鮭、卵焼き、明太子、グラタン、麻婆春雨、餃子を好んだ。私のいない朝や昼はウーバーイーツ。そして駄菓子よっちゃんいか、カレー煎餅、ポテチを食べるようになった。私は何も疑問に思っていなかったが彼は【昔から見た目から駄菓子とか庶民のものを食べて無さそうなのに意外と言われて、笑った】と話した。そして付け加えた【アニメとか親に所詮役に立たない、金にもならない空想の世界に時間を使うな、って言われてきて、アニメや漫画を見たことがないんだよね】と言った。そして【親に会社を継ぐんだから学校の知識も役に立たないから行っても行かなくてもいい】【親に社長になる人間に感情は要らない】と言われてきたと話した。私は【反抗期とかなかったの?】と聞いたが【親が怖すぎてそんなの思ったことがない】と話し、【どんな親なの?】と聞いた。【親は極短のパンチパーマでサングラスをしてるんだよね】と話し、今時パンチパーマ?と思ったが人間好みは人それぞれだしと思い、流した。ただ教育関係の仕事にいたため《子供に感情を持つな》という発言に嫌悪感を抱いた。


そして、日々が過ぎ彼は親についてこう話した【父親は30になるまで働かなかった、お母さんは苦労し、父親は30になって稼業入りした】と話した。【稼業ってなに?】という質問に【ヤクザになった。山口組の】【おじいちゃんは定年まで皆勤賞でトラックの運転手だった】【妹は早くに結婚し勘当されてる】と話し、【前の女は30過ぎてて別れたけど親がめんどくさくならないよう、慰謝料として500万手切れ金を払った】と笑い、【結婚するとき、そういや親父からお前の身辺調査するよ。金目当てじゃないかの確認でな。】【親父には恐すぎて歯向かえない、まじ恐いから。】【昔ぼったくりバーで料金のことで揉めた時も、店のヤクザが出て来てさ、〆られそうになったんだけど親に電話したら来てくれてさ、目の前で俺と仲間を〆ようとしたヤクザの小指パッだったよ(笑)逆に金払わせたしな(笑)親父いなかったら俺ヤバかったやろな(笑)】【あとさ、車の免許とったばっかの時さ車プレゼントされてさ、携帯で話ながら運転してたらドンって音してさ、見たら人はねて焦って親父に電話したら、親父の下の人間を代わりに出頭させたんだよ、俺大事にされすぎ(笑)】と笑っていた。


そして私は彼にとって彼女になっていた。

そして【妊娠したら結婚しよう】と私は産婦人科に通い妊活をするようになった。

珍しく私は仕事が午後休みの日、彼は父親の店で働いていたというおじさんとパチンコをしていた。そこに行くことになり、そのおじさんYに会うことになった。

そのおじさんは私を見るなり【肥えてんな、でも今までの女の中で1番マトモ】と言い、私は内心、失礼な人だなと思いながら居酒屋で話した。

そしてお会計時に、私は初対面なので私が飲んだ分払うと言ったら【あいつは女に金ださせてんのか?そう言われたのか?】との答えに、私は【いえ、初対面なのに悪いなと思って私の独断です】と答えた。その時彼はトイレに行っていて、おじさんは【ふーん】と私からのお金を受け取らなかった。そのあと、もう一人ジャージ姿の中年のおじさんも加わり、スナックへ移動した。中年の女性1人しかいない小さなお店だった。


そのスナックで、おじさん2人は離婚をしているという話になった。彼の父親の元で働いていたおじさんはバツ3で子供がいるが一切お金を払わず子育ても参加しておらず生活保護を受けているとのことだった。もう一人のジャージのおじさんは去年離婚したばかりだという話で退屈な時間を過ごした。隣で彼は退屈そうにほとんど寝かけていた。そしておじさん2人と別れ家に帰ることになり家に帰って寝た。

そして何日か過ぎた頃、彼は【クレカを持ってない人間は信用出来ない】と言い出した。私は現金主義でカードを持つのが怖かった為、作っていなかった。彼は【信用したいから作って】と言い出したのだった。

カードを作ることでなんの信用を得られるのか疑問に思いモヤモヤが取れなかった。




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