概要
それは僕がゴーストライターとして書いた記事がきっかけになっていたのだけれど、その炎上の最中、グループの中心であるバーチャルYoutuber浜風みずちが、僕の家を訪ねてきた。その容姿は、まるで2Dモデルの彼女自身とそっくりで――そんな浜風は、僕がゴーストライターをしているということを暴露する準備があると脅迫してきて、黙っている代わりにとある条件を提案してくる。
「しばらく泊めてほしいんだけど」
家族がおらず、戸籍を持たないという事情を抱えた浜風は、真っ当な仕事に就くことができない。自分のグループを運営する会社である【SHOWCASE】が給料未払い問題という内容で炎上し潰れることを予期し、彼女は個人のVtuberとして転生をしようとしていた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!キャクター論/物語論としても⭕
炎上中のVtuberの中の人(美少女)が、大学生である僕のところへやって来てこう言う。
「しばらく泊めてほしいんだけど」
押しかけ系ラブコメのフォーマット。
ははーん、これはあれだ。美少女が抱える問題を解決することで絆が深まっていくパターンだな。ジャンルとして今まさにしゃぶり尽くされようとしている流行りモノ、Vtuberを取りこんではいるけど結局はよくあるラブコメなんでしょ。
そう思う人もいるかもしれない。
だが、ちょっと待って欲しい。
この作品、冒頭からどうも妙なのだ。
語り手の僕は、ゴーストライターをしている。
他者の筆癖、言葉の選び方や語り口調を模倣し文章を綴る。
そこに個はな…続きを読む - ★★ Very Good!!物語でわかるVtuber哲学
筆者のVtuberに対する価値観や哲学を語った作品。Vtuber界隈でよく問題にされる(炎上、バーチャルキャバクラ、転生)を鋭い視野から分析している。
Vtuberは見るけれどその辺りが理解できなかった私としては腑に落ちる部分が多く、とても面白かった。
一方で、Vtuberの解説や考察が非常に細かいためか、物語や登場人物の心理描写が(不足しているわけではないが)文量に対して比重が小さい。そのため、登場人物に対する愛着や共感が湧かず、凄惨な過去を語られても、最後の局面でもカタルシスや緊張感は全くなかった。
論考ではなく小説として書くのであれば短編ではなく、もう少し長編の方がよかったのかなと思っ…続きを読む - ★ Good!アシキのVへの愛が伝わる
節々にアシキのTwitterで見られる性癖が散りばめられていて良かった。
ゴーストライターという地味な能力がストーリー上で節々で活躍してるのも良かった。
でも導入と面白くない部分が非常に長かった。正直アシキがVに凄い愛を注いでる事をYouTubeライブとかで知って無かったら読むの挫折してた。導入と面白くない部分が多いせいで書きたい部分の主体文章が少なくなって感動がアシキの中にあるものに共感しきれずあっさりした感動しか出来なかったかも。でも、どうしたら良くなるとかは分からないです。すみません。
敢えてホロライブとか現実の団体を出す事で読者がキャラを具現化させる時間を短縮出来たのは良かったと思う…続きを読む - ★★★ Excellent!!!Victory
読み終えた時には達成感とは違う何か…勝利をしたような感覚で胸が一杯になりました。勝利と言っても敗北者が特別存在するわけではなく、強いて言えば個々が自分自身への勝利をした、と言った所でしょうか。自然とキャラクターを応援していました。
素人目ですが、どのキャラにも自然な説明があり、感情移入がしやすかったように感じました。
設定もVtuberという性癖を最大限活かされてるなと思いました。僕自身、それこそ5人で四天王と呼ばれていた時代が一番Vtuberを追っていて、それ以降は興味が薄れ追えなくなってしまったんですが、そんな僕でも十分に楽しめる作品でした。
仮想とは何か。現実とは、自分とは何なのか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!Vacant
喪失感
この感情、すごくすごく、久しぶり
完結ものの映画を見ても、ここまでの喪失感はなくって
浜風みずちが僕の世界に存在しないなんて、そんな悲しいことはない
読んでいる時5.Vogue は分かりづらいし要らないだろとか考えていたけれど、(いや、ほんとにこれは空島編初めて読んだ時に抱き、今自分にある感情。の流れと同じなんだけど、)今読み返すとなくてはならない章?チャプター?って感じ
もしこの文がなければここまでの喪失感は無かったかもしれない、物語を物語ではなく現実の派生のようなものに錯覚させている文なのかもしれない
僕がこんな言い回しの文章を無意識に(この言葉は意識的だけど)書いているくらい…続きを読む