第39話 仲間たち

【前回までのクルーたち】

・チーフ (リーダー)

・シークレットヘアーのアンディ(通信担当)

・もみ上げのザック (操舵担当)

・タンクトップのケビン (船内クルー担当)

・上げすぎズボンのフランク (船内クルー担当)

・前髪のジョニー (船外で異常行動担当)

・スパッツのトニー (船外で異常行動担当)

・カリスマドクターのマーカス (船外で異常行動担当)


・初老のおっさん(ポセイドン担当)

・魅惑のおばちゃん(メデューサ担当)


・アミーラ(新たなる道へ 担当)

・海パンのリッキー (新たなる道へ 担当)




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「チーフ!出た!やった!裂け目から出ました!海パンのリッキーがやってくれました!」

「そうだな、タンクトップのケビン・・・」


「チーフ!船が!」

「どうした!もみ上げのザック!船の揺れが止まらないぞ!」

「チーフ!船をコントロールできません!このままでは地面に激突します!」

「逆噴射だ!もみ上げのザック!逆噴射しろ!」

「了解チーフ、補助エンジン停止!フルパワー逆噴射ー!ダメだ!チーフ!落ちます!」

「つかまれ!全員何かにつかまれ!衝撃が来るぞ!」


・・・・・?


「何だ?・・・止まった・・・船が、止まった」


(「奴じゃ」)

「奴?」

(「我が弟、ゼウス、これは奴の力じゃ、奴は宇宙をコントロールできる」)


「チーフ、宇宙をコントロールって・・・」

「恐らくウソだ、シークレットヘアーのアンディ!こいつらはウソをつき続けている」

「確かに、そうですねチーフ」


(「やあ!兄さん!久しぶり!会いたかったよ!」)


「出た!チーフ、宇宙人が出てきました!」

「ああ、タンクトップのケビン、こいつが ゼウスだ」

「全知全能の神、ですかチーフ」

「そうだ、タンクトップのケビン」


(「おお!我が弟よ!元気だっだか!」)

(「あれ?兄さん!メデューサも連れて来たんだ!相変わらずお綺麗で!」)

「おやまあ ゼウス、あんたも変わらず口が上手いねぇ!」


「なんか、軽い挨拶ですねチーフ」

「そうだな、今の会話も、ほとんどウソだらけだろう、シークレットヘアーのアンディ」

「ですね、チーフ」


「おいお前ら!挨拶はそれぐらいにしろ!メデューサ!早く外の3人を助けるんだ!」

「そうだったね、早く私の所に連れておいで!」


「よし、ポセイドン!お前の最強の武器で、外の3人を船内に移動させろ!」

(「よかろう!どこだ?あれか!あの遠くにいる3人だな!よし、我が最強の武器、トライデントで呼び寄せてくれるわ!」)

(「お!兄さん、かっこいい武器だね!」)

(「見ておれゼウス!我が最強の武器、トライデントの力を!」)


(「ホアアーッ!!トライデントー!!」)


「うわ!チーフ!出た!現れた!前髪のジョニー と スパッツのトニー と カリスマドクターのマーカス が、現れました!」


(「はっ!はっ!はっ!こんなもんじゃ!」)

(「すごいよ、兄さん!」)


「おい、動かないぞ」


(「・・・・・」)


「チーフ!まさか、酸素が切れているのでは!」

「急いで3人のスペーススーツのヘルメットを外すんだ!急げ!」

「了解チーフ!」

「どうだ!息をしているか!おい!メデューサ!何とか出来ないのか!」


「どきな!私が見てやる!・・・・・ふん!ふん!ふふん!ふん!」


「チーフ、何やってんですかねアレ?メデューサの髪の毛が2人の頭に貼り付いてますよ」

「浄化だろう、タンクトップのケビン・・・たぶん」


「ふう~、きわどい所だ!この2人はなんとか間に合った!大丈夫だ!何してる、早くこいつのヘルメットも取れ!」

「ダメですチーフ!スペーススーツのヘルメットは取れたのですが、ビューティー・ヘルメットが!」

「ビューティー・ヘルメットがどうした!タンクトップのケビン!」

「取れません チーフ!前髪のジョニーのビューティー・ヘルメットが取れません!」


「何!時間は!シークレットヘアーのアンディ!ビューティー・ヘルメットの8時間のロック解除まで、あとどのくらいだ!」

「えー、ちょっと待って下さいチーフ!恐らく 30分から1時間ほどでロックが解除されます!」


「1時間!メデューサ!ヘルメットの上からじゃ浄化できないのか!」

「目と鼻と耳の3か所に私の髪を同時に滑り込ませなければ浄化はできん!今すぐヘルメットを取れ!」

「目と鼻は出ている!耳にも髪の毛を入れないとダメなのか!メデューサ!」

「3か所同時じゃないとダメなんだよ!ヘルメットがこんなに密着していると無理だな!見てみろ、頬が盛り上がるほどだ!」


「くそ!ポセイドン!ゼウス!お前たちの力で何とかならないのか!」

(「我は、海と大地の神!我が弟、ゼウスは天と宇宙の神!ジャンルが違う!」)

「お前ら!あれだけの力があって、ヘルメット1つ取れないのかッ!!」

(「無理じゃ、ジャンルが違う」)

「ジャンル?お前ら!」


「チーフ、油はどうでしょう?」

「油?どういう事だ!タンクトップのケビン!」

「チーフ、油をですねビューティーヘルメットの間に流し込めばスルッといきませんかね?」

「よし!やってみよう!」

「ここに潤滑油がありますチーフ!この隙間にこうやって、流し込んで・・・あれ?うまく入らない、」

「貸してみろ!タンクトップのケビン!こうだ!」

「うわ!出しすぎですチーフ!顔に油が!」

「時間がない!やるしかないんだ!もっとだ!」

「チーフむせてます!前髪のジョニーが、エビ反りでむせています!」

「まだまだ!もっとだ!」

「ダメですチーフ!前髪のジョニーが、もんどり打ってます!」

「よし!今だ!いいぞ!引け!ビューティーヘルメットを引っ張れ!」

「つるつるですチーフ!油まみれで!すべってビューティーヘルメットをつかめません!」


(「皆下がれ!我が最強の武器の出番じゃ!ホアアーッ!!トライデントー!!」)


「な、何をした!ポセイドン!」

(「潤滑油を融合させたのじゃ!オリハルコンとな!」)


「潤滑油を融合させた?」

「チ、チーフ!ぜ!全身が、油に!前髪のジョニーの全身が、潤滑油に包まれました!」

「なんだ!どうなってるんだ!油がスペーススーツの上を動き回っているぞ!」

「チーフ、見て下さい!油が!潤滑油が前髪のジョニーの鼻の中にどんどん入っていきます!」


「これは何だ ポセイドン!前髪のジョニーに何が起こってるんだ!」

(「伝説の金属オリハルコンは融合することによりその物体の数倍、いや数万倍のパワーを引き出すことができるのじゃ!」)

「だから何なんだ!」

(「潤滑油が超液体金属となり、スルッと外れるかと思いきや、そ奴の鼻の穴に入って体と融合した、見ての通りじゃ」)

「そんな事を聞いているのではない!前髪のジョニーは大丈夫なのか!ポセイドン!」

(「わからん、神のみぞ知る、じゃ」)

「てめ、この野郎!」


「チーフ!前髪のジョニーが!前髪のジョニーが立ち上がりました!」

「さ、下がれ!全員下がるんだ!」

「チーフ!色が、ビューティーヘルメットの色が赤く染まっています!」

「一体どうなってる!」

(「こりゃ、ヘルメットにもオリハルコンが融合しとるようじゃ」)

「ビューティーヘルメットにも融合!?」


「あ!チーフ!スペーススーツも赤くなりました!前髪のジョニーの全身が真っ赤です!」

「なんだ!スペーススーツにも超液体金属が融合しているのか!」

「チーフ!変形しています!スーツとヘルメットが一体化してます!カッコイイです!」

「下がれ!下がるんだ!前髪のジョニーから距離を取れ!」

「あ!逃げた!」

「何!?」

「前髪のジョニーが、走って逃げましたチーフ!」

「どこだ!どこに行った!シークレットヘアーのアンディ!カメラだ!全カメラで前髪のジョニーを探せ!」





スーツとヘルメットに一体化した前髪のジョニー!

全身、真っ赤なその姿はカッコイイの一言!

そんな前髪のジョニーは、なぜ走るのか!

なぜ逃げるのか!

次回「追跡の果て」お楽しみに!



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