第38話 閉じられし世界

【前回までのクルーたち】

・チーフ (リーダー)

・シークレットヘアーのアンディ(通信担当)

・海パンのリッキー (電撃オリハルコン・パンツ担当)

・もみ上げのザック (操舵担当)

・タンクトップのケビン (船内クルー担当)

・上げすぎズボンのフランク (船内クルー担当)

・前髪のジョニー (船外で異常行動担当)

・スパッツのトニー (船外で異常行動担当)

・カリスマドクターのマーカス (船外で異常行動担当)


・アミーラ(ポセイドンの孫娘 担当)

・初老のおっさん(ポセイドン担当)

・魅惑のおばちゃん(メデューサ担当)



----------------------------------------------------------------------




「こっちだアミーラ!急ぐんだ!」

「ここから飛び降りるのか?海パン」

「そうだ!このハッチから飛び降りる!その前にもう一度だけ聞く!アミーラ、本当にいいのか!本当に一緒に来るのか!」

「あたしは決めた!海パンと一緒に行く!」

「分かったアミーラ、これがパラシュートだ!急いで着けるんだ!」

「パラシュート?何だこれは?こんなものはいらん」

「何言ってるんだアミーラ!パラシュートが無いとお陀仏だ!」

「オダブツ?何か知らんが着ければいいんだな、どうやるんだ?海パン」

「僕のまねをするんだアミーラ!ここを通して、こうやって!こう!」

「こうか?こうだな、海パン」

「そう!カチッと音が鳴るまではめるんだ!」

「できたぞ、海パン」

「さっきから海パンって・・・」

「海パンじゃないか」

「まあいい、急ごう!ハッチを開ける!」


ぷしゅ~


「出るぞ!アミーラ!出たらすぐに、このヒモを強く引くんだ!分かったな!」

「分かった海パン!」

「よし!行くぞ!ついて来い!アミーラ!GOー!」


「いいぞ!アミーラ!!ヒモを引け!引くんだ!!引け!そうだ!いいぞ!」


よし!船が裂け目に突入する!

今だ!

電撃オリハルコン・パンツのスイッチを!

な、無い!どこだ!パンツを改良されて、スイッチが無い!

うおおお!大地が!大陸が!アトランティス大陸が大きく波打って、う!浮いた!大陸が浮き上がった!え、消えた!?

消えたぞ!大陸が!

急げ!どこだ!スイッチ!うおお!

裂け目が!異空間の裂け目が輝いている!

急げ!間に合わない!パンツの向きを船に向けろ!風圧に負けるな!

スイッチはどこだ!後ろか!これか!これだ!押せ!


電撃ぃいい!!船まで放て!


すごい!すごいぞ!電撃オリハルコン・パンツ!凄まじい衝撃だ!


ぅおあああ!!


どうだ!どうなった!船は!


無い!

消えた!

異空間の裂け目も、消えた・・・


やったか!よし!やったぞ!チーフ!やりましたよ!

成功だ!

電撃オリハルコン・パンツ!すごい力だ!何だ!?

何だこの音は!海!巨大な渦だ!

大陸が一瞬で消えた影響だ!とてつもない渦だ!

あれに巻き込まれたら大変なことになるぞ!


アミーラ!


アミーラはどこだ!

いた!あそこだ!

何だ?様子が変だ!

パラシュートが破れている!

電撃オリハルコン・パンツの衝撃で破れたのか!急速落下している!


何!


こっちもか!

こっちのパラシュートも破れている!

あれだけの衝撃だ!

パラシュートが耐えられるわけがない!

予備だ!予備のパラシュートを開くんだ!


まずい!


アミーラは予備のパラシュートを知らない!

早くしないと、あの巨大な渦に巻き込まれる!

急げ!まずこの破れたメインパラシュートを切り離す!

よし!切り離した!いいぞ!

両手を体に密着して棒のようになる!そして下降姿勢を保て!

アミーラ!今行く!急降下だ!

もう少し!もう少しで手が届く!

チャンスは一度!

これを逃すと2人ともあの巨大な渦に巻き込まれる!

つかめ!

どこでもいい!アミーラをつかむんだ!


よし!つかんだ!ベルトをつかんだ!


アミーラ!つかんだぞ!うわああ!遠心力!

狂った振り子だ!

回転が止まらない!

外せ!アミーラのメインパラシュートを!

くそ!回転が!回転スピードが上がっている!

アミーラにパラシュートが絡まってる!外れろ!

時間がない!外れろ!外すんだ!外せ!!


外した!


よし!メインパラシュートを外した!

次は予備パラシュートだ!うおお!速い!


「アミーラ!つかまれ!離すな!」


ダメか!

渦が!巨大な渦が!ダメだ!

ダメだ、アミーラ!間に合わない!


・・・・・!


何だ?渦?

海中?泳いでいる?なぜだ?

息ができる・・・


(「じいじ は海と大地の神」)

「アミーラ!」

(「その血はあたしにも流れている、海パン、お前はあたしが守ってやる、しっかり捕まってろ」)

「・・・アミーラ、僕は、」

(「何だ、海パン」)

「僕の名前はリッキーだ」

(「知っている、初めて会った時から」)

「そうか、よかった」

(「これからお前を連れて行く」)

「どこに?」

(「神々の集まる場所だ」)

「そこに何をしに行くんだ?」

(「語り継ぐ、今日のこの出来事を・・・」)

「そうか、わかった アミーラ・・・」

(「スピードを上げるぞ、手を離すなよ」)

「ああ、離さない・・・」

(「東だ リッキー!東に向かうぞ!」)





新たな道を歩み始めたリッキーとアミーラ!

2人の行く末にバラ色の未来はあるのか!

そしてクルーたちはどうなったのか!

無事におかしくなった3人を救うことができるのか!

次回「仲間たち」お楽しみに!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る