第5話 スパッツのトニー

【前回までのクルーたち】

・チーフ (リーダー)

・前髪のジョニー (医務室でぐるぐる回る担当←元ビューティー・ヘルメット担当)

・シークレットヘアーのアンディ(通信・スクリーン担当←前髪のジョニーから引き継ぎ)

・タンクトップのケビン (船外ので消息不明担当←元アンブレラ・タンクトップ担当)

・海パンのリッキー (レーダー担当←タンクトップのケビンから引き継ぎ)

・スパッツのトニー (医務室から戻った人)

・もみ上げのザック (操舵担当)

・カリスマドクターのマーカス (医療担当)


----------------------------------------------------------------------



「どういうことだ!スパッツのトニー!報告しろ!」

「チーフ!前髪のジョニーがビューティー・ヘルメットで回転しています!!早いです!!」

「ビューティー・ヘルメットで回転!?スパッツのトニー!それは逆立ちで頭を使ってか!?」

「そうですチーフ!駒みたいです!すごい早さです!!」

「それは、ヘッドスピンだスパッツのトニー!ブレイクダンシングだ!」

「あっチーフ!回転の摩擦で前髪のジョニーのビューティー・ヘルメットから煙が出ています!」

「煙が!?スパッツのトニー!今すぐ前髪のジョニーから離れろ!」

「ぅわ!さらに回転スピードが!あっ発火ですチーフ!ビューティー・ヘルメットが発火しました!!」

「発火!?」


「シークレットヘアーのアンディ!自動消火システムは作動しているか!?」

「作動しません!おそらくさっきの火災で消化液がなくなったようです!チーフ!」

「さっきの火災もヘッドスピンによるものだったのか!」


「スパッツのトニー、用意しろ!」

「チーフ、用意って!?」

「完全なる真空スパッツだ!スパッツのトニー!」

「炎が!チーフ!炎が!前髪のジョニーの高速回転する炎が!巨大に!!」

「落ち着けスパッツのトニー!落ち着いて完全なる真空スパッツを装着するんだ!」

「了解チーフ!了解です!完全なる真空スパッツ装着します!」


「シークレットヘアーのアンディ!直ちに医務室前の第6通路を閉鎖しろ!」

「了解チーフ!第6通路、閉鎖しました!」


「お忙しいところ恐縮ですがチーフ、謎の物体が二つに分かれました!」

「海パンのリッキー!なんだって!二つに分かれた!?物体との距離は!?」

「謎の物体との距離約1200ですチーフ!!」

「二つともこちらに向かってるのか!?海パンのリッキー!」

「そうですチーフ!速度を上げながらこちらに向かって来ます!!」

「分かった引き続き監視を頼むぞ海パンのリッキー!」

「了解チーフ!引き続き監視します!」


「装着しましたチーフ!完全なる真空スパッツ装着完了しました!」

「準備OKだな、スパッツのトニー!」

「あ!チーフ!さらに炎が大きくなって高速回転してます!!」

「よし!覚悟はいいかスパッツのトニー!急いで腰の右側のスイッチを入れるんだ!」

「スイッチを入れるとどうなるんですか?チーフ!?」

「どうなるんですか?ってスパッツのトニー!どうなるのか知らないのか!?」

「知りませんチーフ!どうなるんですか?」

「真空だスパッツのトニー!辺り一面完全なる真空になる!それで火が消える!」

「真空!?チーフ!僕はどうなるんですか?息できませんよ?」

「大丈夫だ!とにかく急げ!火を消すためにスイッチを入れるんだ!」

「大丈夫ってチーフ!真空ですよね?大丈夫じゃないですよね?」

「大丈夫だスパッツのトニー!私を信じてスイッチを入れるんだ!」

「了解チーフ!あなたを信じてスイッチを入れます!」

「やれ!スパッツのトニー!完全なる真空スパッツのスイッチを入れるんだ!」

「了解チーフ!スイッチ!オーン!!」





燃えながら高速ヘッドスピンする前髪のジョニー!

その炎を消すため完全なる真空スパッツのスイッチを入れるスパッツのトニー!

この決断が全てのクルーの運命を絶望へと導くことを今はまだ知る由もない!

それと二つに分かれた謎の物体もお忘れなく!

次回「完全なる真空スパッツ」お楽しみに!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る