概要
「猫はいつの間にかいなくなり、どこにでも現れる。なんてね」
翡翠の海に囲まれた島で、少年は腐れ牛の怪を喰う化け猫娘に出会った。
中途半端に人間臭い娘に、人なのか、モノの怪なのかと問えば「どっちがいい?」と聞いてくる。
そんな娘と友だちになれたと思ったのも束の間、厄災の龍「天舌」が近づきつつあった。
モノの怪の王たる龍を退けるため、少年が化け猫娘に支払った対価とは。
台風の夜に百年前を振り返る、長命どうしの思い出話。
(第二回こむら川小説大賞参加作品。テーマ『擬態』)
(化け猫シリーズ第2作)
(2020.08.15. 講評を受けて最終話修正)
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第一作: 化け猫ユエ
中途半端に人間臭い娘に、人なのか、モノの怪なのかと問えば「どっちがいい?」と聞いてくる。
そんな娘と友だちになれたと思ったのも束の間、厄災の龍「天舌」が近づきつつあった。
モノの怪の王たる龍を退けるため、少年が化け猫娘に支払った対価とは。
台風の夜に百年前を振り返る、長命どうしの思い出話。
(第二回こむら川小説大賞参加作品。テーマ『擬態』)
(化け猫シリーズ第2作)
(2020.08.15. 講評を受けて最終話修正)
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第一作: 化け猫ユエ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!歴史から風土から因習から言葉から、くっきり立ち上がってくる世界の像
島で暮らす少年が、不思議な猫の化物に出会い、命を救われたりするお話。
ファンタジーです。どう見ても、何度読んでも、まごうことなき立派な異世界ファンタジーそのものなのに、まるで歴史ものでも読んでいるかのような気分にさせられるのは何故? 読み終えて「はー世の中にはこんなこともあるのか大変ねー」となって、その五分後くらいにやっと「いやファンタジーだったこれ」となる、そのどこまでも柔らかく自然な筆致の妙。
とてつもないです。もはや「読んでいる」のではなく、情景の方から勝手に脳の中に生えてくるかのようなこの読書感覚。書かれているもののすべてが瑞々しく生々しい、この一分の隙なく組み上げられた見事な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!獣属性を愛するすべての人たちへ……
民間伝承的な奇譚パートの雰囲気が素晴らしく、同時に現代的なキャラ付けを仄かに加えられた化け猫様が生き生きとしてて、なんとも良い組み合わせだなあと思った。ちょっとした病で命を落とし得る中世日本的世界観で、ラッキースケベすらサービスしてしまう獣属性が出てくるとか、欲張りすぎでなかろうか? いいぞもっとやれ、と登場人物たちを応援したくなる。
設定が自然にスッと入ってくるのは、まさに書き手の技量を感じさせる。昔を回顧しているという体で話が進むのも、何ともよい余韻が残る。
スピンオフというにふさわしく、またどっか別のところにこの化け猫様が現れるのだろうなという予感がある、というかもう既にあるのか。