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呉起の家は裕福だった。彼は政界に出て宰相(大臣)になるのが夢で、家財を投じて諸候に献金し、各地を回った。しかしその苦労は報われず、呉起の家は没落、財産を失っただけになった。
周りの者が、呉起の行いを笑った。
呉起は、笑った者の名を竹簡に控えておいた。その数三十余人。更に住所を特定できたところで、呉起は街に出て剣を五本買い求めた。
この猟奇な殺人は、そんな経緯で起こった事だった。
人目を避けて、呉起は家に帰った。
彼の血塗れな姿を見て、母が驚いて聞いた。
「
「何でもありません。母上、お願いがあります。我が家に残っている金を、私にください」
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