5 公主を娶らば

5-1

 呉起ごきにいる間、戦国七雄のかんしんを相手に通算七六回も戦い、うち六四回勝利した。


 残りの十二回は引き分けであり、敗北は一度もない。

 負けそうな時には素早く退いて引き分けに持ち込んだのであろうが、これほど多く戦っていれば相手の方も呉起の戦法を研究するはずである。

 それでも負ける事がなかったのだから、いかに呉起が非凡な兵法家だったかが分かる。


 呉起が来てから、魏では君主の代替わりがあり、宰相も二度入れ替わったが、呉起はずっと西河太守せいがたいしゅのままだった。


 しかし呉起の目標はあくまで宰相職であり、太守や将軍では満足していない。

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