あとがき
あとがき
中国の春秋戦国時代は、まさに「人の時代」だと私は思います。
人が増えて広大な野に散らばり、いつか誰かがまとめるのをじっと待っていた。
やがてこの広がりは、強国となった秦が統一してその後の中華文化の礎を築きますが、呉起が生きていたらそれは秦でなく楚だったかもしれない、という人もいます。
誰もが自分の使命を感じ、生き急ぐほどに生きていた時代、そんな気がします。
この作品は、史記の「孫子呉子列伝」をベースに書き起こしました。
中国の古典は昨今ビジネスマンの指南書として活用の場を得ているようですが、呉起を目指すのはちょっと、無理なんじゃないかなという気がします。
あれこそ、天賦の才能だったのでしょう。そして彼は、見事にそれを使いこなしていたと思います。
ただ残念だったのは、彼のやり方がその時代にはまだ早過ぎたという事です。
なぜなら、その後に生まれた厳しい法治政策が秦を強く育て、ついに広大な中国を統一したのですから。
あるいは、呉起の強引なやり方は、断固とした政治に人々を慣れさせるための布石になったのかもしれません。
そういう点で考えると、やはり呉起は偉大な兵法家、いや宰相だったのかもしれません。結果論ですけれども。
呉起 ――「死の力学」の兵法家 城 作也 @johsaku
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