6-4
そしてその時が来た。
悼王が病に倒れたのである。
ワンマン政治を行っていた呉起の支えは、悼王ただ一人だった。
もしも呉起が自分の派閥を作り、周囲にも目を光らせていれば、公族たちの狙いにも気付いただろう。
だが悪い事に、呉起は味方がいない事に慣れていた。
悼王という絶大な味方を持ったせいで、それ以上地盤を固める考えなどなかったのかもしれない。
ついに悼王が死んだ。
呉起を狙う公族たちはすぐに兵士を集め、呉起の屋敷を包囲した。
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