7-4
公族たちは、急いで兵を向かわせた。
「うぬ、誰がお前など恐れるか。呉起を射よ! 討ち取った者には千金の報償を与えるぞ!」
兵士たちは、建物に殺到した。呉起がその中に入って行くのを見て、明かりもないまま、横殴りの豪雨の如く矢を射た。あまりにも連射したので、
「もういいだろう。明かりを持って来い」
公族たちが、松明を手に建物に入った。川原の
「おお、これは……!」
公族たちは、声を上げて驚いた。呉起の死にではない。呉起が倒れている、その下にあるものを目にしたのだ。
「……呉起の奴も、最期には人の温もりを求めたか。因果だのう」
一人が、哀れんでそう言った。ここは霊安室だった。呉起は、先日死んだ悼王の
「呉起だけでなく、王のご遺体にも矢が
そう言って、公族たちは引き上げて行った。
――呉起の一生は、こうして終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます