第十二話
中学三年生で迎えた八木節祭り。私は桐生嬢と過ごす予定であった。
とは言っても、例年と同じく私たちの予定とはすなわち吾妻山への登山であったのだけれど。中学一年の夏の夜を再現するかのごとく、私たちはあれ以降も幾度となく吾妻山への登山を繰り返していたのであった。今年も何とも華のないお祭りになりそうである。
ともあれ、踊り子をサボタージュしようとする私に文句を言う森林限界を何とか宥め、ちょっとしたお洒落なんかもして、私は吾妻山の登山口である吾妻公園で、桐生嬢を待っていたのである。
待てど暮らせど、桐生嬢は来なかった。
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