第12話 ある人気占い師の真実

 私の母は有名な占い師だった。その母が病気で亡くなった後は、母の妹である叔母が跡を継いだ。


 叔母の占いもよく当たると評判で、常にお客さんが絶えず、週刊紙でも連載をしている。自身もこうなることをずっと夢に見ていたようだ。目立ちたがりやなのだ。周りに持ち上げられチヤホヤされるのが堪らないらしい。


 数日前にも自宅にTVの取材が来た。私はマスコミが好きではないので自室に籠った。

 早速目の前にいるタレントの過去や将来を占い始めた。相手は当たっていると感嘆の声をあげている。それもそのはず、私がこのパソコンから占った内容をその都度送信しているから。


 彼女は特殊な液晶を周囲にバレないように眺め、少しばかりの演技を交え、さも今占っているかのように話している。そう、残念ながら彼女には占う才能は皆無なのだ。


 今日はTV出演の日だ。華美に着飾った彼女の姿が街頭のビジョンに映っている。勿論、事前収録だ。


 因みに彼女の収入はお小遣い制で、必要最小限の金額だけ渡している。

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