第3話 スミホ
22世紀のニホンではヘルシー思考が進み、マクロビ食ばかり食べられていた。
それに頭を悩ませたのは、問武(もんぶ)科学省。子供の発育には、やはり肉が必要だからだ。
ある時、問武科学省で働いている一人の男が、肉屋の知り合いに、そんな人たちに何とか肉を食べさせられないかと相談した。
そこで、若い頃世界中を旅した肉屋の店主が、ある肉を挽き肉にして調味し、スマホの形に形成してみた。そうすることで親子共に興味を引かせたのだ。結果は上々。
肉なのにヘルシーで可愛いと、TVや雑誌ですぐに話題になった。
インスタ映えも、兼ねているのだ。
マスコミ数社がその店主の元に、何の肉を使っているのかこぞって取材しに来たが、全てそれを拒否した。
この企業秘密は、その内容が知られれば、即糾弾されるからだ。
人肉は牛や豚より美味しいと、昔旅先で知ったので、いつか試してみたいとずっと思っていた。
ただ意外なことに、若者より年寄りの肉の方が円熟していて美味しいのだ。だから施設で亡くなった、引き取り手のない遺体を使う。
スミホ(素肉(スミート)フォン)は今日も大人気だ──。
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