ことのは もも ショートショート作品集 ─ホラー編─

ことのは もも

第1話 落ちたら割れる

 花たちがお茶会を開いている。


『秋が来て旅立つ時が近づいてきたね』

『そうね今年はどこまでなのかなぁ?まだ見たことのない国に行けるからこの日が来るのがずっと楽しみだったわ♪』

『これも全部人間のお蔭よねぇ』


『ママたちも人間の作った船とか飛行機とかってやつに乗せられてここに来たらしいから、私もその日が来るのがずっと楽しみだったの♪』

『取り扱ってくれるヒトたちは皆私たちが傷つかないように凄く丁寧に扱ってくれるから、目的地まで快適らしいよね!』

『うんうん‼』

『人間には感謝しかないけどただ、人間はさぁ……』

『落ちたら割れるのがねぇ(笑)』

『この前も私の知り合いが高山帯に咲いてた時に、それが珍しいって取りに来てた人間が……。取るのに失敗して落ちて動かなくなったの』


『見事にパックリ割れてたし、誰も他に来ないから、そこに種子を飛ばしてみたらしいんだけど、より綺麗に開花したらしいわ!』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る