概要
アステカ帝国滅亡の裏には、ただ、朝を望み続けた少女の姿があった
1519年、春。
栄華を極めた黄金帝国アステカ。
そこへ訪れたのは、エルナン・コルテス率いるエスパニャからの探検隊だった。
奴隷の娘マリナリは、ある夜、コルテス軍の修道士ヘロニモ・デ・アギラールと出逢う。
それは、ひとつの文明が滅びる足音でもあった……
これは歴史の裏に刻まれたひとりの少女の物語。
※この物語はアステカ時代に実在した少女マリンチェをモデルにしておりますが、
創作を多々含んだフィクションです。
史実とは異なる部分もありますので、ご了承ください。
栄華を極めた黄金帝国アステカ。
そこへ訪れたのは、エルナン・コルテス率いるエスパニャからの探検隊だった。
奴隷の娘マリナリは、ある夜、コルテス軍の修道士ヘロニモ・デ・アギラールと出逢う。
それは、ひとつの文明が滅びる足音でもあった……
これは歴史の裏に刻まれたひとりの少女の物語。
※この物語はアステカ時代に実在した少女マリンチェをモデルにしておりますが、
創作を多々含んだフィクションです。
史実とは異なる部分もありますので、ご了承ください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!メヒコの娘、エスパニャの通訳、激動の時代を生き抜いた一人の少女
マリンチェ――以前、中南米の歴史を調べていたときにその名を聞いたことがあった。
メヒコの生まれでありながら、エスパニャの通訳として彼らに協力した人物……。
まぁ、そんな人もいただろう、と当時の私は大して気にもしなかった。
しかし、それで終わらせてしまうのはあまりにも勿体ないと本作を読んで思う。
通訳として、メヒコ人として、一人の女性として、真実を求める者として……。
少女――マリンチェは様々な姿を見せてくれる。
メヒコの地に〈白い顔〉の人々がやってきた時代。
彼女は何を感じ、何を想い、自分を何者と知るのだろうか……。
一人の少女の人生を色濃く描く本作。
彼女をめぐる多くの人物の心理…続きを読む - ★★★ Excellent!!!白い顔の人々がやって来たとき、メヒコに次の朝は訪れるのか
古代から続いた中南米の文明はスペイン等の侵略によって滅亡した。
その歴史的事実を聞きかじったことすらない人は多分いないと思う。
中南米の古代文明、と聞くだけで胸をときめかせる人もきっと多い。
本作は、メヒコ(※ここでは「メキシコ」と英語読みしたくない)の
アステカ文明の滅亡の時を舞台とする、1人の少女の生きた軌跡だ。
史実をもとにしたストーリーは骨太で、人々の激情が息づいている。
偏見かもしれないが、中南米の文明滅亡を描くストーリーならば、
侵略者に立ち向かう人々の悲壮を主題とするのが現代の主流だろう。
本作はそうではない。少女マリンチェは「裏切りの花嫁」である。
侵略を受けたメヒコの…続きを読む