現在、読み進めて第4次十字軍の遠征の編成の部分に入っています。
面白い、と言っていいのでしょうか、考えさせられます。
ジャンルとして、最初、正義の味方が現れて、パンパカパーンとかっこよく活躍する話だと思っていたのですが、違います、もっと複雑なものを作者は書いているようです。
書かれていることは史実だけではなく、史実、半分なのかな、ここも注意がいるのかもしれません。
人間の妄念というか、時代の雄大な流れの中の人間というものを、作者は書きたかったのかもしれません。
途中から登場人物たちが暴走を始めることもあり、えー?!、となる時もありますが、人間の洞察としては面白いのかもしれません。
そこは理解して、読み進めるといいのかもしれません。
ジャンルは、ノワールや、ピカレスクというものに近いのかもしれません。
だから正義の味方を考えて読まれた方は、途中でブラウザバックする方もおられるかもしれません。
しかし悪に肉薄し、人間を描こうとする作者の執念には唸らされるものがあります。
歴史知識も面白い。
悪を肯定されているのか、こういう書き方で、悪を剔出(筆誅)しようとされているのか、そこはわからなかったのですが、最後まで読んでみようと思います。
複雑なものがある小説なので、簡単に推薦はしません、これは読み方のガイドです。
参考になれば。
十字軍。イスラム勢力から聖都を奪還のために組織された、少なくともキリスト教世界においては聖なる軍隊。
しかし、第4次十字軍は異常な行動をとる。あろうことかキリスト教国である東ローマ帝国の首都を占領し、一時的に滅ぼしてしまったのだ。
聖都奪還という本来の目的から余りにも脱線した狂気のごとき行い。しかし、十字軍指導者は狂ったわけではない。ある男の謀によってそうせざるを得ないように仕向けられていたのである。
その男の名はエンリコ・ダンドロ。ヴェネチアの統領、齢90を超える盲目の老人、卓越した商人にして稀代の策略家。そして、執念の復讐者。
彼はなぜ東ローマを滅ぼすことを決意し、それを成し遂げたのか。これはその一代記。
主人公エンリコのダークな魅力もさることながら、他にも綺羅星の如く魅力的な人物が登場する、圧巻の大河歴史ロマン。お勧めです。
特にヨーロッパ史に興味がある方なら、確実に楽しめます。
英雄王がしのぎを削り、十字軍が派遣されていた時代。ヴェネツィアの妖怪じじいがビザンツ帝国に復讐するお話。
現実の中世ヨーロッパが舞台で、転生転移知識チートがない作品というのはほとんどありませんので、とても新鮮です。日本では鎌倉時代を迎えようとしていたころ、ヨーロッパではこんなことが起きていたと思うと、また別の面白さがあります。
メジャーなテーマではないせいか、あまり注目されていないようですが、個人的にはカクヨムにはこんな面白い作品があるのか!と思わされた傑作で、より多くの方に読んでいただきたい作品です。
完結お疲れ様でした!そしてありがとうございました!
エピローグまでしっかり面白く最高です!
世の中にはカクヨムといったネット小説を総称してライトノベル、略してラノベと呼んでいる。しかし、この作品はどうだろう?
この作品はヴェネツィアの商人にして政治家、老獪にして傑物の人物、エリンコ・ダンドロの後半生(既に老境だが)をドラマチックに叙述している。
歴史モノならでの宿命として、膨大な知識が登場する。イタリア地域に留まらず、キリスト教世界から中東のイスラム世界まで範囲は広大である。
さらに商人といえば、取引相手との苛烈な値引き交渉である。主人公が強欲な商人であるほどその描写は外せない。取引先は多種多様である。国が違えば宗教も違う、しかし理念という奴は古今東西にいって概ね共通している。
その理念とは何か?是非この作品を読んで考えて欲しい。
エリンコ・ダンドロは歴史的にも重大な事件を引き起こした中心人物である。故に彼の評価は賛否両論かもしれない。
彼の壮大な生涯を、船を運ぶ潮風と共に、堪能してみてはどうだろう。
レビュータイトルに全てを込めてます。
難しそう、と思って嫌煙してるそこの君にも開いてみて欲しいんだ。なあ、君だよ。過去の私だよ!!!
歴史物なんですけど、知識がなくても、ファンタジーとして苦なく楽しめてしまいます。物語として楽しく、キャラクターに親近感があるからでしょうね。
この作者様、とにかくすげーんですよ。
色んな作品、色んな舞台、色んな人々を描きながら全部面白くするじゃん。何なんだ?
知識マシマシだと固くなったり、難しくなったり、押し付けがましく感じたりすると思っているんですが、この作者様の作品にはそれがない。
豊富な知識を堅実な土台として活かしつつ、エンタメに料理してる。誰でも出来ることじゃないですよ。
ここ数日で既にファンになりつつあります。
暑苦しくも全力プッシュです。
この作品の主人公エンリコ・ダンドロは有名といえば有名人だが、その人物に詳しいと言える人はそんなにいないじゃないかなと思います。私も今まではシヴィライゼーションVのヴェネツィア文明の指導者、そしてビザンツ帝国を再起不能にした張本人くらいの認識でした。こんな風にエンリコの目線で物事を考えるのは見たことがありません。
エンリコの所業によって、歴史上最も偉大な都市の一つが恐ろしい災いに見舞われたから、どうしても悪いイメージがつくが、こうしてみるとそれだけのことをする理由はあったように思えます。別の角度から物事を見る、とても面白い作品と思います。
第4回十字軍は同じキリスト教国である東ローマ(ビザンツ)帝国の首都コンスタンティノープルを攻撃したことで、少年十字軍などと並び、十字軍の愚かさを象徴するものとして有名です。
この物語は、その第4回十字軍の前史、ヴェネツィアとビザンツ帝国の攻防をヴェネツィア評議会議員である、エンリコ・ダンドロの視点から描く物語。
エンリコ・ダンドロは後に東ローマ帝国を滅ぼし(後に再興)、ラテン帝国の建国に携わった人物ですが、殆どの方は知らない人では無いでしょうか。
そうした、多くの人にとって知られざる人物、知られざる歴史に焦点を当てた、上質で硬派な歴史物語、ぜひご一読を。