第3話 そのネコの目線はどこから?

 今回は動物が主人公だった時のお話です。童話や絵本なら二足歩行でも構いませんが、小説なら四足歩行が一般的です。大事なのは、動物(主人公)の見ている位置です。高さであったり、今いる立ち位置や状況、これらの説明がないだけで作品が惜しくなります。ここで例文(犬の主人公で一人称)。


 俺の飼い主と目線が同じ高さになる。飼い主は涙を流す。ゴメンね、そう何度も俺に言った。


 どうでしょう? 一つの違和感がありました。皆さんお気付きでしょう。それは、「飼い主と目線が同じ高さ」です。これは人間が二足歩行、犬が四足歩行、目線が同じ高さになるには、何か動いたと言うことです。修正した例文を見せます。


 飼い主が俺を持ち上げる。目線が同じ高さになる。飼い主は涙を流す。ゴメンね、そう何度も俺に言った。


 これでどうでしょうか? 違和感が解消されたと思います。このように、主人公が何であるかによって、見る世界が違うと言うことです。是非、動物を主人公にする時は、こういうことに注意してみましょう。

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