第2話 一行でも良いから

 一行で何が書けるのでしょうか? でも、その一行がないと説明になっていないかもしれません。つまり、一行の説明も大事ってことです。書いていくと作者はこうイメージするかもしれません。これで読者にも伝わっているだろう、と。ちょっと待って下さい。その文章、本当に伝わっていますか? これでわかるだろう、は読者に伝わっていない可能性があります。ここで例文。


 僕は雨に打たれていた。傘を持っていないから。すると、視界が開けた。僕は両手を広げた。


 さて、ここで問題です。この文章はどこかが曖昧になっていて、作者と読者にイメージの差が生じています。それは、「視界が開けた」と言う説明ですが、この場合のイメージがあやふやです。まあ、これで納得する読者もいます。でも、作者と読者のイメージが違うとしたら? これはマズイです。この場合の作者のイメージは、「雨が止んで、視界が開けた」でした。あなたはどんなイメージでしたか? このようにイメージのズレを無くす必要があります。つまり、この場合は「雨が止んだ」と一行の説明をつけ加えるのが良いですね?

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