三月の星

早見弥生はピアノを弾く為に生きてるような天才だっていうのに、その音楽には感情がない。まるで、音楽が本人を映し出しているかのように――。
ある出来事をきっかけにピアノが弾けなくなった少年、浅田春月(あさだはるき)は、逃げるように転校した先の高校で不思議な少女と出会う。ピアノと音楽を中心にして自分に足りない物を相手に見つける二人は、それを求め補い合うかのように惹きつけられていく。

音楽とは、感情とは何か。心に抱えた傷を埋めるかのように、彼らは夜空に浮かぶ星を線で紡いでいく。