概要
茶碗たちが見つめた、一組の夫婦。
昭和もヒトケタの時代、東京府の下谷区。
新婚夫婦が持ってきた、それぞれの茶碗。
「彼等」は夫婦茶碗ではなくとも、何時も一緒。
あるときは仲良く台所の戸棚の中から、
またあるときはちゃぶ台の上から、
若夫婦の日常を優しく見つめて、ささやき交わす。
やがてその生活にきざす大きな影、
「旦那さま」の浮かぬ顔、「奥さま」の涙。
そして、「あの日」がやってくる――。
〔注記〕
集英社webコバルト企画
「編集Fの擬人化小説賞」応募作品です。
「小説家になろう」との重複掲載です。
新婚夫婦が持ってきた、それぞれの茶碗。
「彼等」は夫婦茶碗ではなくとも、何時も一緒。
あるときは仲良く台所の戸棚の中から、
またあるときはちゃぶ台の上から、
若夫婦の日常を優しく見つめて、ささやき交わす。
やがてその生活にきざす大きな影、
「旦那さま」の浮かぬ顔、「奥さま」の涙。
そして、「あの日」がやってくる――。
〔注記〕
集英社webコバルト企画
「編集Fの擬人化小説賞」応募作品です。
「小説家になろう」との重複掲載です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一つの時代を茶碗目線で書いた物語
結婚によって結ばれた男女がそれぞれ持ってきた茶碗。
その茶碗が持ち主の生活を通して見たこと感じたことを、茶碗同士の会話としてサラリと語ってくれます。
私は歴史モノが苦手で、いや、苦手というよりむしろ大嫌いで、蕁麻疹が出るほど逃げたしたくなるのですが、続きが気になって読まずにはいられない凄まじい引力がありました。
義務教育で日本の歴史は知っているし、その後どういう事が起こるのか全部わかってはいるんだけど、それを何も知らない茶碗の目線で語られることが新鮮でもあり、また哀しくもあり……。一途に持ち主やその家族を心配する茶碗がいじらしい。
疎開先を見ては「わー、やめて!」と叫び、最後のシーンでは「お…続きを読む