昭和の初めから終戦までをそっと描いた作品。

夫婦になる二人が持ち寄った二つのお茶碗。
息を吹き込まれたように、二人(二つ)の
交わす会話から、この時代の情勢が伝わってくる。

平和な時も、危険な時も、いつも見守っていたんだね。
外に行けるのは、帯止めちゃんだけなのに
二人は人間に沿うようにあの時代を語り合う。

こういう作品を描ける作者さん、ほんと凄いなぁ。
会話だけで、まざまざとしあわせな時代から悲しい時代への
移り変わりが見事に表現されているんだもの。

けなげに主人を心配する二人の行方はいかに。

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