とても心を掴まれる物語でした。同じ場所でのたったワンシーンなのに、濃密。独白と、一人だけの存在との、あっけないのに凝縮された会話。雪の中の電波塔。気にならないはずがない。
とても心のざわつく、寒さが身に染みるような、美しい文体の小説。電波塔とはなんなのか。そこに込められた秘密とは。サンプルでありながら、掌編としても面白かったです。