概要
〈人物紹介〉
石井:鉱夫の男。カネビシ直雇。
西口:鉱夫の女。下請け。
エルキュール・ポアロ:私立探偵。登場しない。
☆20200419 せっかくなので「小説家になろう」でもほぼ同じ内容で、該サイト用に体裁を整えて投稿いたします。
☆なおこの作品は、七瀬夏扉さんが主催されました〈カクヨム計劃トリビュート/〉にエントリーしたものです。大変良い企画でしたので、気になる方は検索等でチェックしてみてください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!リアリティのある静かなサバイバル
集団が密室に閉じ込められることでトラブルが起きる話はよくありますが、本作では冒頭からいきなり主人公が単独行動を選びます。トラブルの詳細は読者の想像に委ねられるというところがユニークです。
「一人で考え、一人で死ぬか生きるかしたかった」
この一文にとても共感します。主人公は結局このあと西口という他者と関わり合うわけですが、それも一度集団を離れたからこその出会いなのです。最近の人間関係に並んでいる読者は勇気づけられるのではないでしょうか。
ケアマシンの存在が面白いです。実は我々も日常的に多かれ少なかれケアマシンのようなものを使っている気がするのですが、そのように考えられたのも名前付きのギミッ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!レトロとSFの化学反応
あらすじから何とも奇妙な印象を受ける作品だ。
「カーボン素材」という未来的な用語が冒頭に来るものの、後に続くのは三笠、炭鉱、崩落事故……。
SFとは縁遠く、どこか昭和の匂いをくゆらせる。
ところが、本文は正真正銘のSFである。
まず気付くのは描写の繊細さ。
被災した人間同士のドラマでなく、現在の状況や炭鉱の構造、そこで用いられる近未来の技術を簡潔に説明する手法はとてもSF的だ。
普段触れない炭鉱という異世界の描写も相まってぐいぐい引き込まれる。
加えて主人公は、生き残るため一人で行動を開始する。ひたすら冷静に、自ら道を切り開いていくのだ。
ある種冒険小説の雰囲気を纏い、けれど災害をシミュ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!炭坑崩壊、極限状態での人の姿
舞台は体内にナノマシンがあることによって疲労や心的不安を和らげ、また身体的補助もなされるという近未来。その中で石炭カーボンというエネルギーを得るために働く私を主人公にした物語です。
しかし事故によって炭坑が大崩落してしまい大勢の人が炭坑に取り残されることとなります。ナノマシンを動かす電力も食料も、無尽蔵にあるわけではありません。残り僅かの食料と電力、それから予想される数日後の大混乱。主人公はそれから逃れるために、ひとまず更に下へと赴き、物資を補給することを思いつきます。そこで西口という女性に出会い、共に地上を目指すことになります。
SFと骨太人間ドラマを掛け合わせたようなストーリーで、…続きを読む