小池一夫「人を惹きつける技術」

小池一夫「人を惹きつける技術」(講談社+α文庫)を読了。有名な「キャラをたてる」は「勃てる」ではなく「起てる」だった。「漫画=キャラクター」論。


ライトノベルは「キャラクター小説」と呼ばれることがある(※エンタメ系でシリーズ化した作品だと大抵の場合キャラが確立されているものですが)。


これは経験則だろうけど、漫画の場合、冒頭7ページでキャラを起てるのが鉄則とのこと。これが「漫画=キャラクター」に至った理由の一つなのだろう。


「あれ?」と思ったのは漫画の三大要素。「構成」「構図」「消去」の三つ。「構成」はコマ割り。「ネームを切る」等。「構図」はコマの中に描く絵の構図。イマジナリー・ライン的なものも含めてだろうか。


「消去」はコマとコマの(間の)時間の流れを省略すること。カッティングとも。売れていた漫画家が次第に売れなくなる原因は作品のテンポが時代に合わなくなるからとのこと(※テンポ自体は時代によって変わっていく)。僕自身は昔の漫画の方がテンポが速い様に思うのだけど。


耳に痛い話として「マニアはプロにはなれない」という項目があって、漫画だけ読んでいても駄目だそうで、実際に読んでいて知識の豊富さ、そして未だにどん欲さが感じられる。


そういえば以前、Twitterの公式アカウントで「文字もキャラクターなのだ」とツイートがあって、笑ってしまったことがある。キャラクターの語源はギリシア語で「印刻」「押印」を指すもので、そこから意味が広がっていったとのこと。極論すると、森羅万象の全てがキャラかもしれない。

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