口を開放してガムを噛むやつは死刑

舌打ちの音というものは、とかく不快なものである。唾液がからんで湿った音も去ることながら、なにより舌打ちという行為そのものに込められた負の感情が絶望的なまでに不快である。不快な状況に遭遇することは生きていればいくらでもある。しかし、それを舌打ちという形で周囲に知らしめる必要はまったくない。

舌打ちは負の感情を伝染させるものであるから、舌打ち癖のある人はインフルエンザにかかっていながらマスクもせずに出歩いて他者を感染させるような真似を日常的にやっていると言える。

いわば、伝染性イライラ症候群のスーパースプレッダーだ。その病が治るまでは、死ぬまで入院していてほしいものである。


世の中には、食事をするときに口を開放して咀嚼する人がいる。このとき発生する音は、負の感情は込められていないものの、唾液がからみついたベタつき感という意味では最高の破壊力を持つ。外食中にとなりの席から聞こえてきたら、せっかくの食事が格別にまずくなってしまう。

しかし、食事の場では「舌鼓」という言葉もある通り、音は出てしまうものだ。百歩譲って、我慢してもいい。


だが、電車の中でガムを噛むときに口を開放している者にだけは、どうにも我慢ができない。食事とは関係ない場所で、延々と続く咀嚼音。ただでさえ舌打ち常習者が多い都会の電車内でほ、そのひとつひとつが舌打ちのように聞こえてならない。あたかも伝染性イライラ症候群の原因となるウイルスを持つ宿主のようなものである。

そうした危険な宿主は、早急に捕獲してウイルスをばらまく前に屠殺すべきである。


と、舌打ちをしながら考えていた自分に気づき、自分も感染してしまったことに気づくのであった。

バイオハザード的には、まっさきに感染して仲間を襲うザコキャラだな、私w


嗚呼、素晴らしき哉。

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