心中に潜むセックス&バイオレンスの秘密とは
窃盗、暴力、殺人などは悪いことだ、と教えられて私は育ってきた。
しかし、そこに「なぜ」は存在しなかった。
理由があって悪いわけではなく、ただ悪いことだから禁止されていたのだ。
むろん、先人たちが答えを求めながら見出せなかった命題である。いたって普通の人間だった私の両親に、その答え出せというのも酷な話だったろう。
私は今、「自由」という価値観を信奉している。
心に浮かんだものごとを書き、発表する。行きたいと思った場所に行き、見たいと思ったものを見、食べたいと思ったものを食べ、飲みたいと思ったものを飲み、やりたいと思ったことをやる。
それが私にとっては心地よい状態なのだ。
しかし、自由には代償がともなう。
他人の自由も、自分の自由と同じように尊重しなければならないのだ。
自分の行動の結果が他人の自由を制約する結果になってはならない。その範囲内でのみ、自分の自由は保証される。
この観点で考えると、盗みは相手の「所有する自由」を奪う行為だから、やってはいけないのだ。暴力は相手の「安全に暮らす自由」を奪う行為だから、やってはいけないのだ。むろん殺人は、「生き続ける自由」を奪う行為だから、禁止されるのだ。
いたってシンプルな結論が出る。
むろん、人間には愚かしいことを望む自由もある。盗まれたい、暴力をふるわれたい、殺されたい、と願う人も、中には存在することだろう。私はそんな人たちの嗜好の自由も尊重する。が、だからといって、そうした人たちから盗み、暴力をふるい、殺すことを求められても、私は拒否するが。私には、その人たちを手伝うかどうかを決める自由があるのだから。
だが、手伝ってもいい、という人がいるならば、それはそれで自由にすればいいと思うのだ。
もっとも、望んで窃盗してもらうのはもはや贈与で犯罪でもなんでもない。暴力は隠れておこなって当事者が告発しなければ傷害罪は成立しない。殺人だけが、最悪でも自殺幇助という犯罪になる。
殺人だけが特別なのには、理由があると私は思っている。
失われてしまった命は、けっして戻らない。「やっぱりやーめた」がきかないのだ。
殺人は、実行されてしまうと、二度と後戻りはできない。この不可逆性が、重要なポイントだと思うのだ。
などと筋道をたててみたが、ムシャクシャしたらなにかに当たり散らしたくなるし、自分が心の底から欲しいものを持っている人を見ると、それを強奪する自分の姿を妄想してしまうこともある。
これは、なぜか。
たぶん動物としてのホモ・サピエンスには、そうした欲望を生み出す機構が備わっているのだ。
生存のためには、糖や脂や塩などをおいしいと感じる必要があった。生物種としてより多くの子孫を残すためには、生殖行為が気持ち良いと感じる必要があった。その欲望は遺伝子に組み込まれていて、私たちの日常において自動的に発動している。
これらと同じように進化上不可欠だった機能が、暴力衝動や独占欲の背景にもあるにちがいない。
それぞれに名前をつけてみたい。
【EM衝動】
他者との接触は気持ちいいものである。これは氷河期を生き延びた人類にとって、体温保持のために不可欠な機能であった。さらには、互いの体をマッサージをすることで血行の促進も望める。マッサージの「痛気持ちいい」感覚がやみつきになるのはそのためだ。
この接触が親密な相手との性的な意味合いのあるものになると、またあらたな側面が生まれる。痛気持ちいいのほかに、くすぐった気持ちいいという感覚も生じる。
愛し合う二人の気持ちを盛り上げて、心も体もホットに、しかも生殖行為による子孫繁栄も期待できる。この不快感と快感のせめぎ合いこそが、まさに一石二鳥のエロマッサージ衝動なのである。
そのEM衝動に、身をゆだねよw
【ヲタ求】
何かを所有して陳列しておきたい、というのはヲタクの欲求である。
まさにヲタ求。
使用、鑑賞、保管のために同じものを3個買う、というヲタ求は、消費低迷の現代にあって、社会的な意義のある重要な消費行動である。このため、日本の経済団体によってヲタ求を持つ者は秘密裏に保護され、増殖を続けてきた。
野に咲く可憐な花を摘み取って部屋に飾っておきたいのも、空を舞う美しい蝶を標本にして保管しておきたいのも、可憐な少年少女を監禁して育成したいのも、すべてヲタ求のおかげである。
私は悪くない。
すべては私に協力なヲタ求を植え付けた、この国の経済を支配している影の権力者のせいなのだ。
私は被害者だw
……こわっ(^^;)
嗚呼、素晴らしき哉。
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