第25話 喧嘩パーティ


「あははははっはあはっは妾に勝てるとでもぉ思っているのですかぁ?哀れなのですよぉ♡」


「若造がぁ、生まれて数十年の成金に、この数百年の経験に勝るものがあるとぉ?」


「はいはいー、老害と姫様崩れは地に頭をつけてひれ伏してなさい、貴様らごときがこの剣聖様にかなうとでも?」


なんだ、これ?


「平和じゃのう……」


先代国王は、眼か脳がやられたらしい。

今にも喧嘩(喧嘩というレベルではないかもしれないが)が始まりそうだ


こうなったのは一時間前にさかのぼる。


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「ちょっと飲みすぎたかしら?」


俺たちはお別れパーティに出席していた。

 と言っても来たのは、先代国王とその使用人、クロロ、そして、上級冒険者ギルドメンバーで、俺を別大陸に送り届ける手配をした、ハルソンだ。


その時は突然来た。


「実は俺も、長年お守りをしてきたひ弱なお嬢の元を離れるのは不安なんだよ。そこの老害に護衛を任せることもな」


すると案の定プライドの高いクロロは、


「あら?妾はそんなに弱くないわよ?少なくともあなたと比較したらね?」

「ほう……」


そこに首をつっこむはハルソン。


「クロロ様は必ずお守りいたしましょう。」

「いえ、結構。妾のほうが絶対強いですもの」

「は?」


レッツビギンザファイト!!



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「おいおい、俺はお嬢を傷つける気持ちはさらさらねぇよ?」

「あら、妾は傷つける気満々ですよ」

「クロロ様に力を認めてもらえねば護衛の資格はあるまい。」


エーテル→ハルソン

 ↑    ↓

 ↑ ← クロロ  (矢印方向が攻撃する相手)



「なら、儂の権限で闘技場を解放しよう。」


まぁ、いいか。勝手にやらせよう。


「ああ、禁術セイントダークマジックマスターりし者君?いや、めんどいからセイ君?」


「な、なんでしょう?(最近面倒ごとが多すぎて口調がおかしい)」


「君には、全員がケガしないように、いざという時の防御魔法を頼む」


「ふぇ?」


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グラン王国屋外競技場


「何でこんなことに……」


頭が痛んでしょうがない。なぜなら目の前では、


「ふはは、さっきまでの威勢はどうした、老害ッ!!」

「何の、ゴールドドラゴンと戦った時と比べればたいしたことはない」

「発光トカゲと一緒にするな!」


状況は明らかにハルソンの劣勢。だが、


「そろそろでしょうか?」

「なんだ?不気味、な?」


俺が防御魔法を張る間もなく、


ザクッ。急にハルソンが剣の太刀筋に入ったのだ。


「あほ老害め。ついに痴呆症になったか。誰か、看護に……」


するとハルソンが、エーテルに触れる。


「しまっ」

小さくつぶやく……


「い_____________」

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