閑話 モノクロセカイ
ああ、つまらない。
「おはよう!」
「おはよう、昨日ねー……」
考えてみれば面白い筈もない。
こんなつまらない世界、いっそ滅んでしまえばいい。
何が面白くて何のために何をして生きているのか。
「おい、授業始めるぞ」
「号令、きりーつ」
はぁ、なんだろうな。虚無感ともいえる何か。最初からないものは失えないのだが、不思議と虚無感がある。
そう、俺、否、僕の目に映る世界はモノクロだった。
そんなモノクロな世界のモノクロな学校生活を九年間も送っていた。
例えるなら、アサリの味噌汁を謳っておいてアサリが一切入っていない。そんな感じだ。
「つまらない」
唐突に漏らしてしまった
意味のない一言。なぜなら、この思いを誰かに伝えたところで誰かに何かができるわけはないのだ。
「汝、世界はつまらないか?」
「ああ、つまんないよ。」
? その時感じたわずかだが確かな違和感。
「誰?」
これが俺たちの最初の出会いだった。
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