第21話 挑戦
「一日ぶりです」
「ずいぶん口調が変わりましたね。」
「すみません。剣聖様とは露知らず」
「いいんだよ」
すると剣聖はふっとさっきを放つ
「俺は剣聖、アラミス=エーテル。汝は我に挑戦するか?」
返しに困るが、
「もちろん」
短く返す。
「その心意気やよし。では、あそこの山にて」
と、剣聖はわずかにかすんで見える山を指さす
「先に行ってるぞ」
剣聖が消える。数秒後に暴風が吹き荒れる。どうやら行ったようだ。俺も後を追うか。
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風魔法で調節し、高速で後を追う。
「ふう、やっと山についたか」
山の麓に剣聖はいた。
「案外早かったじゃないか。なるほど、期待通りの
「剣聖にそういわれるとは光栄だよ」
怖い。魔王ほどではないが、恐怖が全身を支配する。
俗にいう殺気という奴だろう。
文献には、≪アラミス=エーテル、新暦最高峰の剣の使い手≫
怖いのも当然である。
「では改めて、我が名はアラミス=エーテル!剣の使い手にして位は剣聖!汝の力を見極め、神器を与える」
「我が名は
口上は完璧だ。口上は。
なぜなら練習したから。この時のために中学から練習を重ねてきたのだから。
「なるほど、この我にも恐れぬか。さすがに魔術王の称号を持つだけはある。」
あ、ありがとうございます
「では行く」
すると、刹那、にも満たない瞬間、突きが来る。
「うぁっと、」
反射的に無詠唱で防御魔法を紡ぐ。
「ほう、今ので死ななかったのは何年振りか。」
殺す気だったんですか(-_-;)
「少々試させてもらったよ」
なるほど。
あれだ。降参しよう
「あの、降参を……」
「何故だ?」
何故って言われても……魔法詠唱してる暇ないんで。
「まぁ、今までのやつはさっきの突きで死んでたがな」
ひえ
「一撃俺に魔法を打ってみろ。どんなのでもいい」
え?いいんですか?
「わかりました。では行きますね」
最高の魔法をぶつけよう
すぅ、恒例の深呼吸。
「「この地に宿りしすべての精霊、神、悪魔よ……
深淵より封印されたわが魔力よ、
我のすべての魔力を糧にして、超越なる破壊とならん
「
渾身の一撃が剣聖に直撃ッ!……?
「痛たいなぁ。聖剣なければ死んでたぞ。」
?
「聖剣、ハールンヴェルト。剣聖家に与えられる特典」
あ、忘れていた。≪聖剣ハールンヴェルト。あらゆる魔法攻撃の被ダメージを十分の一にし、物理攻撃の威力を二倍にする≫ ただのチート。
「なぁ、お前、本気で戦ってみるか?」
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思えばさっきは剣聖は聖剣を使っていなかった。
「どうだ?」
そう死を迫る狂気の質問である。
「お、お断り……」
「戦士が戦いに背を向けるのか?」
は?俺にそれを言っていいのかよ……そりゃぁもう。
「舐めてんのか?やってやるよ」
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