第21話 挑戦


「一日ぶりです」

「ずいぶん口調が変わりましたね。」

「すみません。剣聖様とは露知らず」

「いいんだよ」


すると剣聖はふっとさっきを放つ


「俺は剣聖、アラミス=エーテル。汝は我に挑戦するか?」


返しに困るが、


「もちろん」


短く返す。


「その心意気やよし。では、あそこの山にて」


と、剣聖はわずかにかすんで見える山を指さす


「先に行ってるぞ」


剣聖が消える。数秒後に暴風が吹き荒れる。どうやら行ったようだ。俺も後を追うか。


______________________________________


風魔法で調節し、高速で後を追う。


「ふう、やっと山についたか」


山の麓に剣聖はいた。


「案外早かったじゃないか。なるほど、期待通りの挑戦者チャレンジャーだな」

「剣聖にそういわれるとは光栄だよ」

怖い。魔王ほどではないが、恐怖が全身を支配する。

俗にいう殺気という奴だろう。

文献には、≪アラミス=エーテル、新暦最高峰の剣の使い手≫

怖いのも当然である。


「では改めて、我が名はアラミス=エーテル!剣の使い手にして位は剣聖!汝の力を見極め、神器を与える」

「我が名は禁術セイントダークマジックマスターりし者!剣聖を倒し、神器を奪わんとするもの!」


口上は完璧だ。口上は。

なぜなら練習したから。この時のために中学から練習を重ねてきたのだから。


「なるほど、この我にも恐れぬか。さすがに魔術王の称号を持つだけはある。」

あ、ありがとうございます


「では行く」


すると、刹那、にも満たない瞬間、突きが来る。


「うぁっと、」

反射的に無詠唱で防御魔法を紡ぐ。


「ほう、今ので死ななかったのは何年振りか。」


殺す気だったんですか(-_-;)


「少々試させてもらったよ」

なるほど。

あれだ。降参しよう


「あの、降参を……」

「何故だ?」


何故って言われても……魔法詠唱してる暇ないんで。


「まぁ、今までのやつはさっきの突きで死んでたがな」


ひえ


「一撃俺に魔法を打ってみろ。どんなのでもいい」

え?いいんですか?


「わかりました。では行きますね」


最高の魔法をぶつけよう


すぅ、恒例の深呼吸。


「「この地に宿りしすべての精霊、神、悪魔よ……


深淵より封印されたわが魔力よ、


我のすべての魔力を糧にして、超越なる破壊とならん


神之破壊ゴッドバイオレンスッッッ!!」


渾身の一撃が剣聖に直撃ッ!……?


「痛たいなぁ。聖剣なければ死んでたぞ。」



「聖剣、ハールンヴェルト。剣聖家に与えられる特典」


あ、忘れていた。≪聖剣ハールンヴェルト。あらゆる魔法攻撃の被ダメージを十分の一にし、物理攻撃の威力を二倍にする≫ ただのチート。


「なぁ、お前、本気で戦ってみるか?」


_______________________________


思えばさっきは剣聖は聖剣を使っていなかった。

「どうだ?」

そう死を迫る狂気の質問である。


「お、お断り……」

「戦士が戦いに背を向けるのか?」


は?俺にそれを言っていいのかよ……そりゃぁもう。


「舐めてんのか?やってやるよ」




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