第24話 クロロ・M・グラニーゼ

「ところで、俺が一緒に行くには条件がある。」

「じゃぁいいです」


すると剣聖エーテルは焦って、


「つ、冷たいこと言うなよ!腹心の弟子!!」

「いつからそんなに信頼を置かれているんですか。」


「出会った時からだ。そんなことはどうでもいい。俺の知り合いを一人説得してほしいんだ。」


なんだ、そんなことなら、、


「はぁ、わかりましたよ」

「本当か!?ありがとう」


さっきまでの威厳溢れる剣聖の姿はどこへやら。子供のように喜んでいる。


なんかまずいことを引き受けたか?


「取り敢えず、ここ、グラン王国の王城に向かってほしいんだけど。」


「!?」


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グラン王国 王城 迎賓館にて


「ちょっと!?責務を放棄してどこか行くつもり!??」

「落ち着けよ」

「落ち着いていられるわけないでしょおおおおおお」


そこには涙目で叫ぶ女性がいた。彼女は俺の存在に気付くと、


「失礼、取り乱しましたわお客様。」

「い、いや。気にしなくていい、、それより、名前は?」


すると女性は態度を一変させ、


「妾はグラン王国第230代国王、クロロ・M・グラニーゼよ。クロロで結構。」


するとエーテルが小声で


「なぁにが妾だ。もう、成人してるのに」

「い、今それを言うではない」


顔が真っ赤だ。きっと恥ずかしかったのだろう


「我の名は禁術セイントダークマジックマスターりし者。冒険者をやっている。」


「そう、あなたが。いや、それよりも、」


クロロは一回ためて、


「なぜ、剣聖であるあなたが、王室を守る義務を放棄して旅に出るとか言ってるのよ!?」


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「なるほど、そういうことなら俺一人で旅に出よう。」

「待ってくれぇ!それでも弟子なのか!?俺だって、何かあるたびに呼び出されたり、子守唄を成人に聞かせるのは嫌だよ」

「ッ__________」


真顔で告げる冒険者、焦る剣聖、恥ずかしがる王。場がカオスだ。

そんな場に溶けるように控えめなノックがされる。


「どうぞ……」


クロロが小声で言う。


「ああ、儂じゃよ」

「あ、先代さんお久しぶりです」


先代と呼ばれたからには先代国王だろうか。


「お父様が何の用ですの?」

「ああ、それはな、」


「エーテル君もそろそろ自由になりたいじゃろ?」

「ええ、もちろんです」

即答。刹那の瞬間も与えない。


「お、おう。そうかい。それで此度は冒険に行くことを儂の名で許可しようと思う」

「おお。ありがとうございます」

「何でですの!」

すると、先代国王は親しいものに向けるような柔和な笑みを浮かべ、


「お前は少々甘えすぎた。この意味、分かるよな?」


優しく。だが、厳かに告げた。

「はい。すみませんでした。」


なんだかしんみりとした空気の中、


「それについては、何時出発するんだい?」

突如、俺に話を振られる。空気になっていたかった。


「来週ですかね。」

「そうか。では、近いうちにお別れパーティを計画したいんだが時間を割けるかい」

「わかりました。確保しておきます」


なくクロロ。なだめるエーテル。まるで兄妹のようだ 

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