第24話 クロロ・M・グラニーゼ
「ところで、俺が一緒に行くには条件がある。」
「じゃぁいいです」
すると
「つ、冷たいこと言うなよ!腹心の弟子!!」
「いつからそんなに信頼を置かれているんですか。」
「出会った時からだ。そんなことはどうでもいい。俺の知り合いを一人説得してほしいんだ。」
なんだ、そんなことなら、、
「はぁ、わかりましたよ」
「本当か!?ありがとう」
さっきまでの威厳溢れる剣聖の姿はどこへやら。子供のように喜んでいる。
なんかまずいことを引き受けたか?
「取り敢えず、ここ、グラン王国の王城に向かってほしいんだけど。」
「!?」
_____________________________________
グラン王国 王城 迎賓館にて
「ちょっと!?責務を放棄してどこか行くつもり!??」
「落ち着けよ」
「落ち着いていられるわけないでしょおおおおおお」
そこには涙目で叫ぶ女性がいた。彼女は俺の存在に気付くと、
「失礼、取り乱しましたわお客様。」
「い、いや。気にしなくていい、、それより、名前は?」
すると女性は態度を一変させ、
「妾はグラン王国第230代国王、クロロ・M・グラニーゼよ。クロロで結構。」
するとエーテルが小声で
「なぁにが妾だ。もう、成人してるのに」
「い、今それを言うではない」
顔が真っ赤だ。きっと恥ずかしかったのだろう
「我の名は
「そう、あなたが。いや、それよりも、」
クロロは一回ためて、
「なぜ、剣聖であるあなたが、王室を守る義務を放棄して旅に出るとか言ってるのよ!?」
______________________________________
「なるほど、そういうことなら俺一人で旅に出よう。」
「待ってくれぇ!それでも弟子なのか!?俺だって、何かあるたびに呼び出されたり、子守唄を成人に聞かせるのは嫌だよ」
「ッ__________」
真顔で告げる冒険者、焦る剣聖、恥ずかしがる王。場がカオスだ。
そんな場に溶けるように控えめなノックがされる。
「どうぞ……」
クロロが小声で言う。
「ああ、儂じゃよ」
「あ、先代さんお久しぶりです」
先代と呼ばれたからには先代国王だろうか。
「お父様が何の用ですの?」
「ああ、それはな、」
「エーテル君もそろそろ自由になりたいじゃろ?」
「ええ、もちろんです」
即答。刹那の瞬間も与えない。
「お、おう。そうかい。それで此度は冒険に行くことを儂の名で許可しようと思う」
「おお。ありがとうございます」
「何でですの!」
すると、先代国王は親しいものに向けるような柔和な笑みを浮かべ、
「お前は少々甘えすぎた。この意味、分かるよな?」
優しく。だが、厳かに告げた。
「はい。すみませんでした。」
なんだかしんみりとした空気の中、
「それについては、何時出発するんだい?」
突如、俺に話を振られる。空気になっていたかった。
「来週ですかね。」
「そうか。では、近いうちにお別れパーティを計画したいんだが時間を割けるかい」
「わかりました。確保しておきます」
なくクロロ。なだめるエーテル。まるで兄妹のようだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます