第19話 武器

ここは武器屋。ここらじゃ有名……らしい。


「ヘイ兄ちゃん。何をお探しだい?」

「装備一式だ。」

「何をやってるんだい?」

「魔術王だ」


すると店員は少し考えて、


「冒険者カードを見せてくれませんか?」


_________________________________


「すごいですね!今の時代、本物の魔導士がいるなんて。」


なるほど。偽物と疑われたわけか。


「それで、どの武器が欲しいんですか?本物の魔術王様に武器を提供できるなんて、これほど名誉なことはありません」


「この店で一番良いものを一つもらおうか」

「了解です」


店員はしばらく店内をうろうろして、


「このミサンガですかね。」


そこにあったのは小さなミサンガ。


「破滅のミサンガです」



「?、なんだそれは。」

「ご存じないですか。一度調べてきてもらえますか?口頭で説明するよりも楽ですし。」


なるほど


「わかった。明日、又来よう」

「お待ちしております」


図書館にて


「すみません。魔法道具に関する著書はどこにありますか?」

初めての人には下出に。


「ああ、あの棚ですよー。何をお探しで?」

「破滅のミサンガの記述がある著書です」


店員は訝しげな顔をして


「ご存じない?」

と。


相当有名なものなのだろうか。ほかの職員まで目を見開いている。

まぁ、いいか。

__________________________________


棚に近づくと、そこには様々な本がある。

≪神兵器 天使エンジェル

≪究極破壊兵器 与死爆弾ギヴエンドボム


そんな中に、

≪神の遺産 破滅のミサンガ≫


これだ!


俺は本を開く


≪この魔道具は旧暦180年ごろに、初代剣聖アラミス=ソイテが初代伝説竜を討伐した時にドロップしたドロップアイテムだ≫


いきなり凄そうだ


≪効能は、敵へのダメージが追加で50%され、被るダメージを40%減らせる。いわば神器である。この魔道具は代々アラミス家に引き継がれていくが、第184代剣聖、アラミス=エーテルが剣聖となったため、今は、アラミス=エーテルが持っている、もしくは誰かに譲られたの二択が考えられている。また、アラミス=エーテルは、「我が元に来た、すべての冒険者に破滅のミサンガを譲るための挑戦権を授ける。挑戦方法は、武術、魔術、剣術など、何でもいいので私を満足させること。ふさわしいと思ったものに与える。」と、発言している≫


なるほど。あの人が詐欺じゃなければ噛み合う。

そして、今が新暦1300年だから、旧暦は430年に終わった。破滅のミサンガができた時期は今から1730年前……


面白い、いろいろ調べてみよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る