概要
一本の死体の右手を巡る、世界で最もグロテスクな冒険!!
集英社ジャンプ小説新人賞最終候補作を改稿。
戦争が永遠に続く「世界の果て」と呼ばれる街の奥深く、ザックームという名の市場があった。盗品、拳銃、娼婦や大麻。その市場では売り買いできないものはなにもない――たとえ人間の屍体でさえも。
ダブウとその弟子ザイドの生業は、兵隊墓場から盗んだ屍体の手足を切り落とし、戦争で手足を失くした不具者たちに売りつけること。かれらは街で屍体売りと呼ばれ、食屍鬼のごとく蔑まれていた。
画壇で成功を収めてすぐ十三枚の絵画だけを遺して謎の自殺をとげた夭折の天才画家、マジッド・ムワッファク。かれの埋葬された墓が荒らされ、屍体の右手だけが何者かに奪われたという知らせがダブウとザイドに届く。墓荒らしはこの国で邪眼とされ忌み嫌われる、青い瞳の男だという。
高名な画家の右
戦争が永遠に続く「世界の果て」と呼ばれる街の奥深く、ザックームという名の市場があった。盗品、拳銃、娼婦や大麻。その市場では売り買いできないものはなにもない――たとえ人間の屍体でさえも。
ダブウとその弟子ザイドの生業は、兵隊墓場から盗んだ屍体の手足を切り落とし、戦争で手足を失くした不具者たちに売りつけること。かれらは街で屍体売りと呼ばれ、食屍鬼のごとく蔑まれていた。
画壇で成功を収めてすぐ十三枚の絵画だけを遺して謎の自殺をとげた夭折の天才画家、マジッド・ムワッファク。かれの埋葬された墓が荒らされ、屍体の右手だけが何者かに奪われたという知らせがダブウとザイドに届く。墓荒らしはこの国で邪眼とされ忌み嫌われる、青い瞳の男だという。
高名な画家の右