第18話

「・・・は?」


一瞬の出来事に頭が追いついていないのか富澤以外もさっきから「え?」「は?」とかしか言えてない。


「悪い。もう一回狼探そう」


「あ、あんた、あんなのを一撃で殺れるわけ.....?」


「まぁな」


「ガルドから聞いた話だと、S級はギリギリって言ってたけど....」


「それは弱いS級の話だろ?他の2人だって、ウルフくらい余裕で倒せるぞ」


「へ、へぇ」


「さーってさっさと探すぞー」


ギャルってあんま好きじゃない...てか嫌いだから早く別れたい。

ちゃちゃっと魔物見つけて終わらせよう。


数分魔物を探していると、ダークウルフがいたので、今度こそ一撃で終わらせないようにと背後からそっと近づき、軽ーく、超軽めにデコピンを当てると、吹っ飛びはしたもののギリギリ耐えた。


「よしっ!お前らかかれ!」


合図を送ると女子達が一斉に飛びかかりウルフの体を剣で滅多刺しにした。

女子達の刺突では、あまりダメージは入らないが10人もいるのでウルフの残り僅かなHPを一気に削り落とした。


「ウルフ弱すぎっしょ!」


と笑い出す女子達。こいつら誰のおかげかもう忘れてやがる。


「レベルはどれくらい上がった?」


鑑定で見ればよかったが、鑑定はその人をずっと見ておかないと見れないので、うわガン見するとか何キモーいとか言われたら嫌だからやめといた。

喋りながら見れば?とか言われそうだが、俺にそこまでトーク力はないから無理だ。てかまずその事を言われる事自体ないと思うが。


「えーと、うわ、マジやばいんですけど!一体だけで20レベまで上がってるんだけど!」


へぇ、結構貰えるんだな。


富澤に続き、他の女子も自分のステータスを見て驚いている。


みんなが確認を終え、ガルド達の元へと戻る。


俺より先に2人は戻ってきてたみたいで、待機していたチームと出発しようとしていた。


「お、戻ってきたか。お前の強さが分からなかったから死んだのかと思ったぞ。ガッハッハ」


おいそれ笑えねぇよ。


「この人ちょー強かったですよ〜?」


「ほー、そうか。レントだったな。これからも頼むぞ!」


お、名前で呼んでくれた。


「はい、任せてください」


それからも、たまに一撃で魔物を倒してしまう事があったが誰も怪我を負う事無く順調に魔物を倒していった。

5チーム目が終わった頃に腹が減ってきたので時間を見るとダンジョンに来てから2時間半たっていた。

今はちょうど昼くらいだろう。

スーも同じで、


「ゆーたーおなかすいたー」


とお腹を押さえながら言ってきた。


「そうだな。そろそろなんか食おうか...って言われても俺達何も持ってきてねーしガルド達にきいてみるか」


ちょうどレミアとクレハが6チーム目を終わらせて帰ってきて全員今ここにいるのでちょうどいいかと思いガルドに聞いてみる事にした。


「ガルドさん、腹減ったんすけどなんか無いっすかね?」


「お、レントか。そろそろ飯にしようと思ってたところなんだ。冒険者の為に結構持ってきたからいっぱいあるぞ」


「それはよかった」


「お前ら!飯の時間だ!」


ガルドは呼び掛けながらステータスカードを出して、弁当を大量に取り出した。


それをみんなが次々に取っていくが、弁当は減らず、全員が取り終わっても見た感じ100個は残ってそうだった。

どんだけ作ってんだよ。

そこから俺も1個取り、適当な場所に座る。

スーはあまり食べないので俺のを分けるだけでお腹いっぱいになってしまう。まあスライムだしな。


「レ、レントさん!俺達も一緒に食べていいですか!?」


弁当を食べようとすると、俺の偽名を呼ぶ声が聞こえたので向いてみると、男子のほとんどがこちらを見ていた。


あーこいつら絶対スーと喋りたいだけだわ。だってさっきからチラチラとスーの事見てるし。てかそんな大勢で見るな。


「ゆーたぁ....」


ほらぁ、怯えてるじゃんかぁ。


「大丈夫だぞ〜スー、怖く無いからな〜。お前ら、スーの事あまり見んな。スーが怯えてるだろ。スーの事余り見ないなら一緒に食ってもいいぞ」


「ちっ.....あ、ありがとうございます」


今あちこちから舌打ちが聞こえたんだけど。どんだけスーに惚れてんだよ。


結局俺をみんなが囲む感じで食う事になった。まあみんなスーを見ないように、後ろを向いてもらっているが。


「そういえば、レントさん。なんでスーちゃんはレントさんのこと、ゆーたって言ってるんですか?昨日、勇者の1人がいなくなってその人の名前もゆうたって言うんですけどレントさんと優汰ってなんか似てるんですよね〜.......もしかして優汰か?」


あー気づいちゃったか。てかスーがゆーたゆーた言ってたらそりゃ気付くか。


「いやいや、俺もゆーたってスーちゃんが呼んでる時は優汰かなーって思ったけど流石にそれは違うだろ〜、だったらレントさんの強さはどう説明するんだよ?」


と、ここで俺の味方が参上する。


「優汰が力を隠していたら?」


「そう考えるとそうかもしれないな」


そして味方は敵になる。はえーなおい。


ま、こんな時の対策は練ってある。


逃げるに限る!


俺とスーは転移魔法を使って、城下町に飛んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「優汰なんだろ?」


「びっくりして声も上げられないのか?」


「まあ、俺達は友達だし、秘密にしておいてやるよ」


「ていうかいい加減なんか言えよ!」


「黙ってるってことはやっぱり優汰なんだろ?」


「優......いねぇじゃねぇか!?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る