第11話

「すみませーん、ギルドって何処にあるんですか?」


「その角を左に曲がったらすぐだよ」


道行く優しい冒険者にギルドの場所を聞きながら歩くこと数分。

俺達はやっとギルドに着くことが出来た


造りは煉瓦作りといった感じで二階建ての四角い建物、屋根は赤瓦のようなものでできた三角屋根。石でできた段差の上に両開きの木でできたドアがあって、そのドアには丈夫そうな金属でできた取っ手がついている。

ドアの上には大きな文字で「冒険者ギルド」と書いてあり、丸い盾の上で剣が交差しているようなマークがあった。


階段を登り両手でドアを開ける。


ドアを開けた先には、受け付けがあり酒場があり、冒険者がいっぱいいて騒がしかったりと、何とも想像していた通りだった。


ドアを開けた音で皆一瞬こちらを向くがすぐに元向いてた方を向いてしまった。


やっぱり美人連れてないと喧嘩吹っ掛けられないか。


受け付けに行くと、定番通り美人の受付嬢がいた。


「すみません、ここで冒険者登録がしたいんですが、いいですかね?」


「はい、よろしいですよ!ではまず、ギルドカードをお渡ししますので、ギルドカードの裏のこの魔法陣に血を一滴流してください!」


ギルドカードと針を渡される。

何かステータスカードみたいだなと思いながら針に指を軽く指す。プクっと出てきた血を魔法陣に擦りつけると、淡い光を出しながらギルドカードに俺の情報が載って行く。

全て載ると光は失われた。


「レント・ブレイズ様ですね。ご存知でなければギルドの説明等致しましょうか?」


容姿を偽ってるわけだし、ついでに名前も変えといた。有名になった時に、学校の皆あいつらの耳に渡ったらあとあと面倒くさそうだし。


「はい。お願いします」


冒険者登録する奴にギルドの説明した方がいいか聞くとか、バカなんじゃねぇの?


「ではまずランクについて説明させてもらいます。まずランクは最低でFランクから最高でSSSランクまでの9段階から構成されております。このランクというのは依頼を受ける時の目安となる物で、依頼もFからSSSランクで難易度がわけられています。基本的に依頼というのは自分のランクと同等の依頼と1つ上のランクの依頼を受ける事が可能ですが、依頼中に起こった怪我、もしくは死亡についてギルドは一切関与しませんのでご了承ください。しかし例外があり、SS、又はSSSランクの依頼は同等のランクを持っていないと受ける事が出来ません」


「冒険者になったばかりだとFランクだから、FとEの依頼を受けれるってわけですね?」


「はい、その通りです。最初に登録された方は全て最低のFランクから始めて貰います。ランクの上げ方は同じランクの依頼を十個、一つ上のランクの依頼を五個達成することによりギルドから承認試験というのを受けられるようになります。承認試験というのは、ギルド側が出した依頼を達成することによりランクが上がるというものです。」


「ランクが上がるとどんなメリットが?」


「高ランクになると、宿屋の割引きや、ギルド内の食堂が安くなります」


今はさっきダンジョンで倒した魔物達から取れた金しかないからな。割引きは嬉しいもんだ。


「次に依頼の契約金と失敗について説明します。依頼の契約金とは、依頼を受ける際に前金といった形で指定された額を負担してもらいます。依頼を成功すると前金含め、報酬金をお渡しします。しかし失敗なされた場合は前金は返却致しません。しかしFランクのみ前金は発生いたしません。あと依頼の失敗は一か月の間に五回してしまうと、一か月間ギルドが利用禁止になります。更に戻ってきてからまた半年の間にまた五回失敗をしてしまうとギルドからの除名となります」


一個上のランクの受け過ぎは禁物ってことか。


「最後にギルドカードについて説明させていただきます。まずギルドカードに<オープン>と言ってください」


「オープン」


と言われた通りに言ってみると、カードに文字が浮かび上がってきた。


「 カードに名前、年齢、性別、ランク、受けた依頼の数と失敗した依頼の数がのっていると思います。受けた依頼の数と失敗した依頼の数は今は0ですが、依頼を受けると増えていきます。」


なるほど。カウントしてるから嘘はつけないって事か。


「以上で説明を終了させていただきますが、何か質問などありますでしょうか?」


「いえ、大丈夫です」


「では」


というと受付嬢は営業スマイルで言った。


「ようこそ、冒険者ギルドへ」


俺も「よろしくお願いします」とお辞儀をしといた。


さてこれからが楽しみだ!

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