第16話

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【勇者の警護】

募集人数:30人

指定ランク:A以上

報酬額:白金貨

集合場所:城門前

集合時間:10:00

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勇者って学校の連中の事だよな。

何故に警護?ま、暇だし行ってみようかな。

べ、別に白金貨が欲しいから行くってわけじゃないんだからね!


城門前に行くと、冒険者が結構いた。何やら城の騎士に紙とペンを渡されている。

俺も紙とペンを貰う。


紙に書かれている内容は、自分の名前とランク、勇者が危険にさらされた時、命を張って守る事。と書かれていた。

ササっと書いて騎士に渡す。


因みにだがスーは魔法で小さくしてポケットに入ってもらっている。


10:00になり、何やら見慣れた顔の騎士が出てきた。

ガルドだ。


「集まってくれた冒険者の諸君、集まってきてくれた事に感謝する。噂などが出回って知っているものも多いと思うが、王国は勇者召喚を成功させ200人近くの勇者を召喚する事に成功した。勇者にはダンジョンに潜ってもらい、鍛えてもらうという形で訓練をしている」


200人って多いな!と突っ込む者は誰もいなくてみんな真剣にガルドの話を聞いている。


「さて、皆に集まってもらった理由だが、今日はダンジョンの30層に潜ろうかと思っている」


ガルドがそう言うと、真剣に聞いていた冒険者達がざわつき始めた。「30層だと!?」「S級冒険者がソロで行ってギリギリって聞いたぞ!?」など言っている。


つか昨日10階層までしか行って無かったのにいきなりだな。ドラゴンが出た事に焦ってるのだろうか。


「そこで、君達冒険者には紙に書いてあった通り警護と、勇者が危険にさらされた時、命を張って守ってくれ。以上の件を踏まえて依頼を受ける奴は残ってほしい」


ガルドが言い終わった途端、次々と冒険者達が後ろを向いて、去って行ってしまった。残ったのは募集人数には到底満たない俺を含めて4人だけだった。


1人は2メートルを越えてそうな若い男の人、もう1人は杖を持ってる20歳前後くらいの短めの髪の女の人、最後の1人は、青髪のちっちゃい女の子だった。腰にはナイフしかつけてなくてこの3人の中で一番弱そうだった。

しかし、3人のステータスを覗くとなんとちっちゃい女の子が一番強かった。ステータスが平均で2000を超えていたのである。他の2人も1000は超えていてSランク以上の強さを持っていた。


「残ってくれた君達に感謝する」


ガルドが城の方へ歩き始め、俺達もあとをついていく。


訓練所に案内されると生徒達は喋っていたが、俺達を見た途端に静かになった。


「お前ら、昨夜言った通り今日はダンジョンの30層層に潜るぞ!しかし何度も言うがとても危険だ。だから今日はS級の冒険者4人がお前らに危険が及ばないように守ってもらう事にした」


S級という言葉に皆が反応する。

しかし俺を除く3人のS級の中で最も強いチビには疑いの目線が向けられていた。


「ガルドさーん、その小さい人って本当に強いんですかぁ〜?あたしの方が絶対強いっしょ」


あいつは確か、富澤だったかな。プライドか高くてよく人を見下してたな。


富澤はちっちゃな女の子を笑いながら見下すと周りの女子も笑い出した。


「こらこら、お前らあんまりクレハさんを馬鹿にしたら痛い目にあうぞ?」


この子の名前はクレハっていうらしい。まぁステータス見たので知ってたんですが。


「え〜だってぇ〜その人と、そこのあたし達と同じ歳くらいの男だってそんな強そうには見えないし〜」


え、なんで俺まで......。


「そんな事ないぞ。S級冒険者だからお前らより強いのは確かだ。それに俺はこいつはどれくらい強いのかは知らないが、クレハさんとミドルさんとレミアさんの強さは俺が保証する」


守る側なのにコイツとはいい度胸だな〜試しに城壊そうかな?


「そこのガキ、あまり舐めた口聞いてると殺すぞ?クレハさんになんて口聞いてやがる」


と、キレたのは高身長のミドルだ。なに、クレハさんってそんなに有名なの?


「すみませぇ〜ん」


富澤は謝るが、そこに反省の色は見られない。

ミドルはその態度にキレるがガルドに止められ、「なんでこんな奴らを命を張って守らなきゃならねぇんだ」と帰ってしまった。


しかしガルドは追いはせずに、俺たちの方を向くと「軽く自己紹介を」と言ってきた。


「私の名前はレミア・ミードルという。職業は大魔法使いで魔法を主に使用して戦っている。よろしく頼む」


大魔法使いは上位職業で魔法使いの上の職業らしい。


あ、次俺か


「えっと、俺の名前はいし...レント・ブレイズって言います。職業はえーっと....剣士やってます。どうぞよろしく」


あっぶねー名前間違うとこだった。いや、石崎が本名なんですけどね?


剣持ってないじゃん....とどこからか聞こえたが無視だ。


「クレハ」


・・・え、それだけ?


名前ならもうみんな知ってるよ!


しかし、クレハはそれ以降話そうとはしなかったので代わりにガルドが話してくれた。


話をまとめると、クレハはわずか13歳で、剣士の上位職業『剣聖』になり冒険者達を驚かせた子らしい。


取り敢えず強いって事が分かり、富澤達は面白くなさそうにしていた。


「自己紹介も終わった事だし、そろそろダンジョンに向かうぞ」

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