ステータス∞主人公の異世界生活
縁ノ雷斗
召喚編
第1話
授業が終わり、帰る支度をしていると急に視界が切り替わった。
見慣れた教室が、中世ヨーロッパ風な大広間に変わっていた。何事かとあたりを見回すと、近くには同じクラスの人達がいて、少し離れたところには別のクラスの人達や先生達がいた。いったら学年集会的なやつだ。他には中世ヨーロッパ風な服装をした人達やドレスを着ている人、鎧を着込んでいる人達がこちらを見ている。
俺はこういうのをラノべを読んでいたので知っている。異世界召喚というやつだ。
「どこだよここ!?」
突然の事態に驚いている生徒と呆けている生徒がいる。しかし俺は内心とても嬉しかった。異世界召喚と云うのは授業中、机に突っ伏して妄想していたし、とても憧れがあったのだ。そうして歓喜に浸っていると、
「皆様お聞きください」
と、恐らく俺達と同年代の少女のよく通る声が響く。少女は華美なドレスを着ていて、周囲にドレスを着込んでいる者はいないので存在感が出ている。まあ絶対これお姫様だよね。隣りに冠かぶったオッサンいるし。
「私はクラディ王国王女のシンフィアと申します。ここは皆様のいた世界とは別の世界、゛ゲルギア゛といいます。召喚の儀式によって皆様を勇者として召喚させていただきました。」
やっぱり王女様でしたか。
自己紹介に合わせて、スカートの裾をつまみ、優雅に一礼する。ほとんどの男子が頬を染め、見惚れる女子もほとんどが目を奪われている。
まぁ可愛いんじゃないんすかね。今はどうでもいいけど。
王女の一言で大体のことは分かった。いや、ホントの事を言えば無くても分かってたんだけど。どうせ次のセリフは、皆様には勇者として魔王を倒して我が国を救っていただきたいのです。だろ
「皆様には勇者として魔王を倒して我が国を救っていただきたいのです」
ジャストミート!!当たったぜぇ!寸分違わず当たったぜぇ!
「いきなり、こんな所に連 れてきて、何言ってんだよ!ふざけんな!」
別のクラスの男子が言う。まぁ当然っちゃ当然だよな。その男子につられて皆も次々に言い出す。
「こちらの勝手な都合で、皆様を召喚したことには、謝ることしかできません。申し訳ございませんでした。」
深く謝る王女の目尻には涙が浮かんでいた。
それを見た男子達の一人が、
「まぁ皆取り敢えず落ち着こう。少女が泣いてる所を見るのは流石にいたたまれない。」
と言うと、皆も泣かせてしまったのは流石に悪いかなと思い、黙る。
確かアイツは他クラスの中内だったな。優男でイケメンでスポーツ万能、成績優秀?死ねよ
「すみません。ですが!我々人類が打てる手は、古文書に伝えられた勇者召喚しかありませんでした!」
悲痛な声で叫ぶ王女。皆は黙って聞いていた。
「取り乱してしまって申し訳ございません。すみません、皆様への説明をよろしくお願いします」
泣いている王女から、眼鏡かけてるなんか賢そうな人が出てきた。眼鏡かけてる人って賢そうな雰囲気出してるよね。
で、説明されたんだけど、まとめるとこんな感じだな
・この世界は剣と魔法と魔物と魔王のファン タジー世界。
・魔王は人類を滅ぼそうとしている。
・俺達の学年すべてが勇者として召喚された。
・召喚された俺達は、ハイスペックな能力を得ることが出来た
・俺たちを元の世界に帰す方法は不明。
・魔王を倒せば元の世界に帰る事ができる
皆は元の世界に帰ることが出来ないと言われて悲しんでいたけど、魔王を倒せば帰れるという事を知り魔王を倒すという方向に進んでいった。
情報源が一つしかないから信用は出来ないけど、魔王を倒す気がないのでどうでもいいや。クラスメイトの眼鏡君が元の世界に帰れないという絶望をみんなに与えてから魔王を倒せば帰れるという選択肢を与える...これって詐欺では...と言っていた。確かに!どうでもいいけど。
「勇者の皆様には先ほど話したように、この世界の人より遥かに能力が高いはずです。ステータスカードをお渡ししますので血を一滴カードの裏にある魔方陣に付けてください。魔方陣に血を付けたら、表に自分の名前が出てくるはずです。そしてステータスオープンと言ってください。そしたら自分のステータスが確認できます。あ、他には身分証明書などにもなりますから必ず無くさないでくださいね」
渡されたカードはクレジットカードより一回り大きくて、裏面には魔方陣が書いてあった。
皆渡された針に指を軽く刺し血を出して、魔方陣に擦りつけた。
すると魔方陣が淡く輝いた。
キタキタ。遂に一番の楽しみだったステータスが見れる!俺は自分がこの世界の住人と変わらないステータスであるようにとねがっていた。
何故かというと、ラノべでは最初は、主人公は弱いけどすぐに世界一になるというのがテンプレであるからである。皆が見終わってから見よ。
「「「「ステータスオープン」」」」
俺以外の皆がステータスオープンと唱える。皆自分のステータスを見るがこの世界のステータスが分からないので首を傾げる者が多かった。
「皆様、ステータスが見れたようですね。ではステータスについて説明させていただきます。ステータスの上にレベルがありますね?レベルは上限がありません。レベルを上げていく度に能力値が上昇していき強くなっていきますが、剣の素振りなどをしても攻撃力が上がります。鍛錬などすればレベルが低いままでも強くなれます。しかし、鍛錬だと能力値が上がりにくいので普通にレベル上げをした方が早く強くなれます。」
まだステータス見てないからわかんねぇ
「この世界のレベル1のステータス平均値は10です。皆様は恐らく数倍から十数倍くらいのステータスをお持ちだとは思います。あ、ステータスは報告をしてくださいね」
「よっしゃあぁぁ超つえーじゃん!!俺」
大声で喜んでいるのは同じクラスで一番煩い助谷無双だ。そんなに強いのだろうか。あぁ見たいなぁ。
「鑑定...な!?勇者の力がこれほどまでとは...」
ん?この眼鏡の賢そうな人、ステータスカード見ずに無双のステータスを見たのか?
ボソッと言ってたのが聞こえたけど鑑定と言ったら人のステータスが見れるのだろうか?試しに鑑定と言ってみると
−−−−−−−−−−−−−
助谷無双 年齢15歳 レベル1
種族:ヒューマン
職業:勇者
HP:500
MP:200
攻撃力:300
防御力:300
素早さ:300
命中率:300
魔法攻撃力:300
スキル
言語理解
火魔法Lv1
光魔法Lv1
限界突破
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おおー、見れた見れた。それにしてもとんでもスペックだなおい。この世界の人のステータスの30倍かよ。マジやべぇ
「え、カード見なくてもステータス見れるの?」
驚いている眼鏡に気づいたクラスメイトが質問していた。
「スキルに鑑定がある人しか見られません」
「そうなんだ。えーっと...ないや。残念」
クラスメイトには鑑定が無いようだ。
「多分この国で持っているのは鑑定士である私くらいだと思いますから落ち込まないでください。」
「え、そうなの」
え、マジで
「ステータスに職業がありますよね?皆様は勇者なのですが、この世界では剣士、騎士、魔法使いなど色々な職業があります。職業によって上がる能力値が変わってきます。剣士はバランス型で、魔法使いは魔法攻撃力が中心に上がっていきます。
職業は教会で転職することで変更が可能になります。職業を変えることのメリットは、例えば剣士から魔法使いに転職するとします。その際にレベルは1に戻りますが剣士だった頃のステータスの10分の1が引き継がれます。剣士、魔法使い、騎士、など他にもあり、これらの職業にはすぐになれますが、職業には上位のものがあり、上位職業といいます。上位職業はある一定の条件を満たさない限りなることができません。上位職業は普通の職業よりも能力値が高く上がります。普通の職業と上位職業では同じレベルでも差が開きます。
鑑定士はその上位職業であり、条件が難しい為持っている者が私だけとなります。」
え、俺持ってるんすけど。
あちこちでスゲー、俺TUEEEEとかうおぉぉおとか聞こえる。
そろそろ俺も見ようかな
「低ステ求む!ステータスオープン」
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石崎優汰 15歳 レベル∞
種族:神
職業:勇者
HP:∞
MP:∞
攻撃力:∞
防御力:∞
素早さ:∞
命中率:∞
魔法攻撃力:∞
スキル
言語理解
神鑑定
神隠蔽
偽装
聖魔法LvMAX
暗黒魔法LvMAX
空間魔法LvMAX
創造魔法LvMAX
召喚魔法LvMAX…etc.
−−−−−−−−−−−−−−
・・・・・は?
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