第13話
「そろそろ驚いてる頃かな?」
あの剣装備してる間はSランク並みの力を手に入れられるからな。
あれより強くする事は余裕で出来る。けどそれじゃ面白くないだろ?太一のいる意味がなくなるし。つかオール+1000もやり過ぎたと思ってるし。
「なにがー?」
「何でもないよ。それより、疲れてないか?」
「だいじょぶー!」
そろそろ、学校の皆も狩りを終えるとこだろう。
俺を死亡扱いにしてくれたらいいんだけど。
そんな事を考えていると町に着いた。
そのままギルドに直行し、ギルドの扉を開けると、やはり皆がこちらを向く。しかし最初に来た時と違うところは、さっきは一瞬しか見なかったのに、今は現在進行形で見られているというところだ。その原因は
「ゆーたぁ....みんなこっちみてこわいよぉ...」
と俺の腰に手を回して抱き付いているスーがいるからだろう。
と、ここでテンプレ展開
「お嬢ちゃん、そんな弱そうなやつより俺と一緒にいた方が安全だぜ?」
とチャラチャラしたやつが、こちらへ向かってきた。
「やだぁ....ゆーたと一緒がいい...!」
「そんな事言わずにさ〜?てかお前のランクいくつぅ?」
と俺の方を向き言ってきた。
「あー、Fランクですね」
「キャッハッハ!聞いたかよ!お前ら!Fランクだってよ!Fランク!」
チャラ男とおそらくチャラ男の仲間であろう十数人の男達が一斉に笑い出す。他の冒険者達は目を逸らしていた。
スーはずっと怯えていて抱き付いたままだ。そんなスーの頭を撫でながら、高いであろうチャラ男のランクをわざわざ聞いてやる事にする。
「えーっと、じゃあ貴方はいくつなんですか?」
すると周りが急にざわつき始めた。
「おいあいつ【音速のライト】を知らないのか!?」
「あいつ半殺しだな」「終わったな」「うわぁ血は見たくないー!」
など散々聞こえてくる。テンプレ通りすぎて笑えるわ
「おい、お前。この俺様をしらねぇのか?【音速のライト】様を。あの世の土産に教えてやらぁ!俺様のランクはなぁSランクだ!」
へー、Sランクってマジでステータス900付近なのかなーと鑑定で見る
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ライト・スピーダー 22歳 レベル121
種族:ヒューマン
職業:剣士
未転
HP:1090
MP:450
攻撃力:950+110
防御力:700+200
素早さ:1100+300+80
命中率:890
魔法攻撃力:960
スキル
風魔法Lv4
縮地
瞬足
見切り
スピードブレイク
ハリケーンソード
限界突破
パル:4200000パル
装備
名剣「隼」(攻撃力+110・素早さ+300)
スーフォンの鎧(防御力+200・素早さ+80)
隼の腕輪(素早さ+200)
称号
S級冒険者
到達者
音速
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うわー速さ重視だーすご〜い
「なんだぁ?ビビって声も出ねーのか!?ぎゃはははは!!」
おっと、ステータス見るのに夢中になってたわ
「やっぱSってこんなもんか.....」
ボソッと、しかしライトに聞こえるように言うと、
「あ?ぶっ殺す!」
と右拳を振ってきた。しかし...
「遅い」
その、音を置き去りにするパンチをあっさりと掴む俺。
周りは「え?今何が」など困惑しているがライトだけは驚いていた。
「なんでFランクが俺の拳を受け止められるんだよおっ!!」
Fランクに自分の拳が止められた事に腹を立てたのか、剣を抜くライト。
「ライトさん流石にそれは駄目ですぜ!殺しちゃギルドから追放されちまう!!」
「うるせぇ!!んなことぁどうでもいい!!今は目の前のコイツをぶっ殺してやりたいだけなんだよぉおおお!!」
ライトは剣を大上段に構え、一気に振り下ろした。
その速さはコンマ1秒も経たない。まるで点から点へ瞬間移動したような速さ。
そんな音速の剣が目前に迫る。が、やはり
「!?」
親指と人差し指で剣を摘む。
その光景をみた冒険者達は開けた口が開かなくなっていた。ライトが剣を抜いたところで止めようとしていたギルド職員も立ち止まっている。
「う...嘘だろ.....今のを止められるのはS以上のランクのやつだけだ......素手で止められる奴はSS以上しか......」
ライトはショックなのか途切れ途切れに話している。
俺は剣を摘んだまま、「もう行っていいですか?」と面倒くさそうに言うと、
突如、ライトの体に真緑の光が纏い始めた。
それを見ていた仲間の連中は「やべぇ!お前ら逃げろぉおお!!」と声を上げ逃げ始めた。その声を聞き訳も分からないまま、ギルド関係者以外の周りの連中も逃げ始める。
「『限界突破』」
体全体を真緑の光が纏うと、ライトはさっきまでの様子はどこへいったのか。急に笑い始めた。
「キャハハハッ!お前はもう終わりだぁ!限界突破を使った俺様のステータスは元の3倍だぁ!」
「な、なんだってー」
「そしてこれがぁ!『限界突破』を使った俺様のぉお!!『ハリケーンソード』だぁぁああ!!」
『ハリケーンソード』消費MP1000
自身の剣に風の魔力を込めて放つ技。
風によって超螺旋を生み出し、相手を斬り刻む。
説明さん仕事してるね〜ありがとう。
『ハリケーンソード』によって生み出された螺旋状の風はぐねぐねとうねりながら俺に迫ってきている。風に掠ったテーブルなどは目で見えなくなるレベルに斬り刻まれた。
俺は手を前に出すと「はっ!」とほんの少し、力を込め、衝撃波を放つ。
すると螺旋状の風は衝撃波に弾け飛ばされてなくなり、その先にいたライトも吹き飛ばされギルドの壁に頭からめり込み、ピクリとも動かなくなった。
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