第14話
軽くライトを倒した俺はスーの頭を撫でながら受け付けに歩き出す。実は俺、絡まれた時から一歩も動いてないんだ♪
「すみません、依頼達成しました」
とギルドカードを渡す。
「....ひゃい!か、かしこまりまひた!!」
FランクがSランクを倒したのに驚いてるんだろうな。
でもありえないってわけではないと思うんだが。どんなに強い人でも最初は絶対Fだから、可能だと思う。
「.....ゴブリンの討伐数はと......さ、さんびゃくぅ!?」
と今度は別の事で驚いてる。忙しい人だな。
「あ、はい。この場合って討伐した分だけ報酬金が貰えるんですか?」
「....い、いえ、規定した分だけです。しかし魔物を倒すと必ず魔石が手に入るので、それを売ることは出来ます。他にも色々落とすのでそれを売ることも可能です」
「じゃあ売ります」
とステータスカードの持ち物欄から魔石を全部出した。
ゴブリンの魔石は色は緑、ソフトボールくらいの大きさで少しゴツゴツしていた。スライムの魔石は青く小さく丸かった。一角ウサギの魔石は色は白色、大きさはゴブリンと同じくらいだが、角ばっているところはなく、真ん丸だった。他にもあったがどれも形色大きさが同じなのはなかった。
魔石の数が多かったので、ギルドの人が来て受け付け嬢と数え始める。
数え終えるまで椅子に座りながら待っていると、逃げ出した連中が戻ってきた。
ライトが壁にめり込んでいるのを見てみんな口をパクパクさせている。
「ライトさん!大丈夫っすか!」
とライトの仲間が飛び出し、助けようとする。しかし、頭は相当めり込んでいて中々取れない。仲間を呼び、左右の手2人ずつ左右の足3人ずつで引っ張るとようやく抜けた。
ライトの仲間はライトが気を失っていることを確認すると俺を一目し、ライトを担いで逃げるようにギルドから出て行った。
「うぉぉお!すげぇ!あのガキ!まさか【音速のライト】を倒すなんて!」
と急に声を上げたのは、ハゲの名も知らぬおっさん。おっさんに続いて次々と俺に対する賞賛の声が上がる。
みんなが一斉にこちらへ来て「お前凄いな!名前は?」「こいつ凄すぎだろ!」「若いのに...素敵」などと口々に言うもんだから、スーがまた怯え始めた。
いつもは元気なのだが、大勢に見られると怖いらしい。
「えっと、今日から冒険者をすることになりました。レント・ブレイズです。よろしくお願いします」
スーの頭を撫でながら、自己紹介をする。
「レントだな!歓迎するぜ!なんつったって、ライトを倒してくれたんだからな!」
とハゲのおっさんがいう。ライトと何かあったんだろうか?
「あの人と何かあったんですか?」
「あぁ、あいつはな人の女に声をかけては攫っていくわ、初心者冒険者はボコボコにするわで迷惑なやつなんだよ。しかもそれでいて強いからみんな黙って見てるしかなかったんだ」
歯を噛み締めながら悔しそうに言うおっさん。
「でもお前のおかげで、しばらくは何もしないだろう!ありがとな!」
と言うとそれにつられてみんなから「ありがとう」と言われる俺。いい気分です。
「ブレイズ様、魔石を数え終わりましたので受け付けの方へ」
お、数え終わったのか。
受け付けへ行く。
「全部で30万パルになります。そして報酬金の5000パルです」
と目の前には貨幣が置かれていた。
「すみません。貨幣の価値がわからないのですが」
「え!?はい、えっとですね貨幣とはーー」
まぁ驚きますよねぇ。この世界の通貨が分からんとなったらな。
貨幣の説明をされたがこんな感じかな
銅貨:10パル
大銅貨:100パル
銀貨:1000パル
大銀貨:10000パル
金貨:100000パル
大金貨:1000000パル
白金貨:10000000パル
となるそうだ。貨幣で持つ人もいるし、パルとしてステータスカードの中に入れる人と半々らしい。
「ではパルでお願いします」
「分かりました」
と俺の目の前にウィンドウが表示され「カードに入れますか?」と書いていたので「YES」を押した。すると、目の前の貨幣は消えて、カードに入っていった。
この世界に来てよく思うのだが、まるでゲームみたいだな。
カードを確認すると、ちゃんと入っていたので、「それじゃ」と言ってギルドを出る。
空はもう薄暗くなっていたので高級っぽそうな宿屋を見つけ泊まることにした。
中に入り、受け付けへ行く。
「すみません。一泊泊まりたいんですけど」
「いらっしゃいませ、お二人様ですと1泊10000パルパルになります。夕食と明日の朝食付きですと+2000パル、お風呂もお付けになると更に+1000パルいただきますでしょうがどうされますか?」
風呂あるのか!
「じゃあ全部つけてください」
「分かりました。では13000パルいただきます」
金を払うと、部屋に案内された。
部屋に入るとまず右側に2つの扉があり、それぞれ開けてみると、トイレとお風呂があった。
そして寝室は10畳ほどあり、真ん中にテーブルと椅子が4脚置いてあり、服を掛ける棚、ベッドが2つあり洋風という感じだった。
スーはベッドに飛び込むとコロコロと転げ回って遊んでいた。先程怯えていたとは思えない元気っぷりだ。
「スー、遊ぶ前に風呂入るぞ〜」
「はーい?」
風呂というのが何か分からないのかハテナマークを浮かべながらついてくる。
脱衣所に入ると、服を脱ぐ。それを見たスーも同じように服を脱ごうとするが、中々脱げないので手伝ってやる。
お互いすっぽんぽんになったら風呂の扉を開ける。
風呂はもう湧いてあり湯気が立ち込めていた。
「スーこれがお風呂だよー」
と言いながら掛け湯をし、スーにも掛けてやる。
「わ!あったかーい!」
掛け湯が終わったら湯船に浸かる。
「ふいいぃ、気持ちいいなぁ」
「あったかーい」
俺の後にスーも入ると顔をふにゃっとさせた。
スーを後ろ向きに抱っこし、俺が背もたれになるように体重を掛けさせると
「ふわぁぁあ」
と力の抜けた声を出した。
「どうだ?こうしたら体が伸ばせて気持ちいいだろ?」
「うん!」
暫く湯船に浸かった後、体を洗うために風呂から出る。
「スー、体洗うからおいで」
とスーを椅子に座らせる。
まずは頭だ。髪は女の何たらっていうし丁寧に洗わないとな。にしてもサラサラで気持ちいいな。
髪を傷めないように洗った後、体を洗い始める。別にスーにやらせればいいのだが「ゆーたがあらって」と言われたのでしょうがない。
首から足まで手で念入りに洗った。
途中、スーがモジモジしながら顔を赤らめていたが俺は悪くない。俺に触らせたスーが悪い。
シャワーで泡を流し、スーを風呂に入れて自分の髪を洗い始める。
髪を洗ってる途中、「んっ...んん...」とスーの声が聞こえた。
スライムでもそんなことするんだなーと思いながら、シャワーで泡を流す。
流し終わった後スーを見るとまだ行為にふけていたので、体を洗った後、風呂に入り、スーのお手伝いをする事にした。もちろんスーは娘みたいな扱いだから最後までしていない。娘扱いなら普通その行為自体をしないだろって言われそうだが、あくまで娘みたいな扱いだからな。みたいな、だよ!
お風呂から上がるとスーはぐったりしていた。
なのでスーをお姫様抱っこしてベッドに運んでやる。
運んだあと俺ももう1つのベッドに入る。
するとスーが起き上がって俺のベッドの前に来た。
「どうした、怖いのか?」
「ゆーたと寝たい」
さっきあんな事したから、寝たい(意味深)に聞こえるんだが・・・
「分かった。おいで」
まぁ、しないんだけどな。
「うん!」
今日は疲れたからよく寝れるだろう。
「じゃあお休み」
「おやすみー!」
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