千崎 翔鶴

　祖母の葬儀のために里帰りをした。 　けれどもその地は、弓を引くことを禁忌とする土地だった。 　 　弓引く者は鬼に首を刎ねられるという。 第１６回空色杯応募作品となります…

友だちのように結婚もせず、定職にも就かず、どこかに出せるあてもない小説を書きながら、近所の葡萄園でのパートでお茶を濁す日々。そう、私の生きる日々は「秋」。私は秋を生きている――。…

ただの雑録です。

詩です。 しゃぼん玉のように、軽く、ふわっと通りすぎる言葉です。

【終(つい)の純火(すみか)】 　「異物」と呼ばれる奇怪な生命体により、人間が存亡の危機まで追い詰められた世界。人類はなりふり構わず、忘れ去られていた祓魔術(の皮を被った無茶苦…

帝国と共和国は終わりない戦禍の中にあった。 共和国軍に身を置き、心を殺して命を刈り続ける暗殺者の男は、雨の降る日に己の命の終わりを見た。けれど、死にかけの男の上に娘は傘を差し掛…

第15回空色杯応募作品になります。 お題は「白露」×「スカイグレー」 文字数制限は5000字以内となります。 「カラスとカナリアの探し人」の完結版として書いているため、一羽とニ…

女は男を愛し子を育むことが良しとされ、男は女に愛され看取られることで天国に行ける。 愛の女神アイアを信仰する国に、婚約破棄を何度もしたという未亡人の女性が、隣国の死にかけ王弟の元…

カイトは家族とバラバラに暮らしている〈音読みの一族〉という〈族《うから》〉の少年。彼の一族は、数多ある〈族〉から魂の〈音〉を「読み」、なんの〈族〉か「読みわける」。彼は飛びぬけて…

リリア・サビルースは一国の王女としてこの世に生を受けた。と同時に、夢見の精霊ルートリの愛し子にされてしまった。 そのせいで、父である国王と母である王妃とは違うエメラルドグリーン色…

万年も陽が落ちぬ国・陽本国に住む主人公・浅野一白は、父親の厳しい躾の一環で灼熱の土蔵に閉じ込められていた。 熱中症に苦しみ意識を失いかける中救いを求めると、突如として現れた謎の人…

シュヴラン王国には希少な宝石資源があり、代々海神の末裔である国王が守っている、絶対不可侵の領域である。 西隣にあるバルリング帝国がその資源を欲し『王女を差し出せ、さもなくば攻め入…

王女アルヴィアは生まれながらにして、人間離れした天賦の戦いの才があった。 しかし、アルヴィアが十三歳の時に母国へと「人類の天敵」とされ全人類の殲滅を目論むグリフォン、鷲獅子王シ…

【愛し合えないまま死に別れた二人のやり直し下克上ロマンス、開幕――！】 「最初に言っておくが、君と必要以上に親しくするつもりはない」 婚約者である第二皇子のシオンに初対面で突…

人の血を啜る牙に、心を見透かす紅い瞳は月夜を支配する。 そうしたヴァンパイアの伝説が数多く伝わる国、ムーンダリア公国。 貿易商社ハロワイルカンパニーのひとり娘、エルシア・ハロワイ…

いせかい車でばくそーする話 枠組み縦読み推奨

岐阜県可児市の地元スーパーに勤めていた３０代の男性は或る日転生し、記憶もあやふやなままに異世界をさまよっていた。 自称神様の用意した新鮮な体に入れられた男が目を覚ますと、そこは施…

春夏秋冬雫（ひととせ　しずく）の前世は生贄王女だった。 『……ブリジット、愛している。誰よりも、愛しているよ』 転生した後も前世の記憶を持ち、毎夜、夫だった男の懺悔を夢に見る。 …

「死んだ友に会いたい」 　その願いは滝頭紬の日常を一変させた。 　紬は帰路の途中、突風と共に異世界に呼ばれてしまう。紬を呼び寄せたのは日本に似ながら全く違う文化を持つ〈光和之国〉…

【注意】結末まで分かるあらすじです 　三方を山に囲まれた限界集落、囲水。土地神である「おいぬさま」を北方の山に祀る、地元住民の六割以上が後期高齢者の地区だ。 　父親の死をきっかけ…

クラルス王国第一王女のエルは、幼い頃から戦場の象徴として育ち、クラルスの戦乙女として名を馳せていた。 そんなある日、身内の裏切りにより敵国で世界一の軍事力を誇るアウレア王国に売…

恐らく、詩

あなたは好きなムシ、苦手なムシ、そうでもないムシ、いますか？もちろん、ぼくはいます。

　魔力の高い者が尊ばれ、巡らされた魔術回路にて数多の民が魔術の恩恵を受けることができる大国・アルビオン。 　王国の公爵家に生まれたアナスタシアは強大な魔力を有し、聖女の地位にあっ…

夏の虚構の郷愁に誘う怪異の少女を観測し、報告書を作成いたしました。 第2回ロベビル小説大賞に参加させて頂く作品です。 テーマは「夏」「怪異」をテーマにしたレポート形式の作品です…

珊瑚でできた杖と角灯を持った明かり持ちは、月が満ちた夜に海底へ潜って消え、残された杖と角灯が届けられた砂浜で新生する。長らく続いてきた使命を全うするために。

人間がみんな寝静まった真夜中に、猫達の【本当の生活】が始まる。 灯台のある小さな田舎町。そこに棲む猫達は、真夜中になると服を着て、二足歩行で歩き、仕事をする。 町で一番賢い黒…

都内の某ミッション系スクールの文芸部では、部員七名が合作ミステリー小説のために企画会議を行っていた。内容は今まさに彼らが通う学校を舞台にしたものだったが、部員たちの関心はエログロ…

文学に寄せた散文です。 30秒くらいでよめます。

とある出版社の編集を生業にしている僕は、担当している作家の『女』にのめり込んでゆく──。 どこまでが小説で、どこまでが真実か？ ※エロ・グロ描写有り 苦手な方はご遠慮願いたい…

　職を失った僕は平日昼間の住宅街で、かつて憧れた先輩の姿を見る。彼女、坂島栞は“物語を書き続けなければ頭蓋骨のなかを花に支配されて死ぬ”病を抱えているという。 　生きているうちに…

WEB小説２０作の推し短歌。 小説内で使われている言葉を繋ぎ合わせただけにも見えるかもしれませんがお許しください。推しなのは間違いないです。 ・作中には、小説のタイトルから最低…

無慈悲な侵略者に蹂躙される戦場で、通信兵が必死に作戦本部に呼びかける。 　 ※この作品はカクヨムとエブリスタで公開しています。

ガンで闘病中の大叔父が、ある時言った。 「時女が現れたんだよ――」 時女――、それは、まるで時を自由に行き来しているような、そんな女性。 彼女は雨の日に現れた。 勝手ながら『…

【第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部　一句部門】 全二十四句

雨雲がないのに雨が降る、お天気雨には２種類ある。 ・雨雲のあるところから風に吹かれて飛んでくるパターン ・地上に届くまでに雨雲が無くなったパターン しかしもう１つのお天気雨があ…

荻原奏太（おぎわらそなた）は、萩原拓人（はぎわらたくと）の小学校以来の友人だった。 奏太は拓人をしばしば振り回し、昨日も「パンケーキ食べに行くぞ！」と一方的に約束を取り付けてい…

８月１５日の夜。僕は彼女を見つけることが出来た。 僕の望みは彼女に出会うこと。彼女の願いを僕は叶えてあげたかった。 短編です。

短歌はじめて詠みました。 こうして毎日バリバリと働いておりますよ。 がんばっていこうね。

陸と冬馬は、高校のワンゲル部の仲間だった。だが高校卒業式のあと、陸は冬馬の前から姿を消す。 一年後に届いた陸からの連絡は、ただ一言「雪山に登る」だった――。 ＊下記2つの企画用…

忘れられないものってありますか？ 偽教授檸檬杯に参加させて頂きました。 https://kakuyomu.jp/user_events/16818093076987051802…

犀川ようさま主催『さいかわスプリングダッシュ』に投げようと思って書きました！ あわよくばこれが何かのお話しのプロローグ足り得たら良いなと思っております･:*+.\(( °ω° …

わかったような顔をして、 わかったようなことをいう小賢しさ。 それでもきっと、この一握のどこかに、 わたしの純真があるような、 そんな気がしたいのです。 まるで口笛のような、 命…

響一郎は勤めていた会社を退職し、実家の長野県北部に帰ってきた。 だが、両親はおらず、人生がままらないことを肌で感じていた。 この作品はフィクションです。実在のいかなる団体、人物と…

宝石アンソロジー出版記念となりますぅ✨ 『片翼の鳳蝶─ Left side ─』の後日談。 読者様よりリクエスト頂いた、不甲斐ない『僕』が幸せになるお話。

『【三題噺 #63】「朝」「視線」「影」』によせて書きました。