「靴紐」を含む小説

悩みの根幹はシンプルかもしれない。でも、靴紐みたいに勝手にほどけるほど単純ではないかもしれない。

「この学校にはね、幽霊がいるんだって。 私たちと同じくらいの中学生の女の子で、寂しがり屋で。 夕方、暗くなるまで残ってたら、 その子がとなりに立ってるらしいよ。 そうして、名前を…

真夜中の帰り道からみた景色。ひとも自分もひとつの風景。

☆10分で読める短編ミステリです☆ 舞台は某県某市の郊外にある公立高校。 名探偵高校生の家達一択（いえさといったく）は、助手役の和鳥栖千優（わとすちゆう）からとある事件について…

　駅前ビルの中の本屋さん、と言えば聞こえはいいが、寂れた駅の前に建つ、同じく寂れたビルのテナントの一つ、と言えばなんとなくイメージが付くだろうか。 　“とまり書房”はそういう、小…

KAC20233のお題『ぐちゃぐちゃ』で書いた恋愛短編です。 連れ子同士の姉弟の弟が交通事故に遭い、ぐちゃぐちゃな気持ちを抱えていた「私」はーー。

左右均等に結ばれたそれを、二度、三度、おまけに四度。ぎゅっと縛り上げる。足の指をぐにゃりと動かし、親指から小指へ、ウェーブのように唸らせる。そして靴紐を緩める。この繰り返しだ。

出社中、ほどけた靴紐を直そうとしゃがんでみたら・・・

「本当にあった」と枕詞のつく怪談話にありがちなオチ、「それを見て生きて帰った者は、１人も居ないらしい……」というシメの言葉。 あれって一気に目が覚めませんか？ じゃあ今語っている…

この学園には、家柄も然ることながら我が侭な振る舞いでも有名な令嬢と、そんな令嬢の側に控える心優しき万能の従者がいた。ある日の野外学習にて、運悪く、あるいは運良く同じ班になった少年…

ある日私はとある女性と奇妙な出会いをした。 彼女のせいで、私は社会不適合者のレッテルを貼られるのだが… そんな彼女との日常の中で出会う様々な刺激を是非とも楽しんでください！ まず…

主人公のカヨは、ある日を境に同じ日の夢を何度も見るようになる。初めの頃は目を覚ますと内容は大して覚えていないが、回数を重ねる毎に記憶の量は増えていき、やがてこれは夢なのか現実なの…

　高校一年生の主人公は、夏休み中のダイエットを頑張っていた。 　自分がいじめられている理由が、太っているからだと思っているからだ。 　けれども、いじめられている本当の理由は、それ…

ある日突然靴紐が切れた。 その浮遊感で主人公は浮気心を犯すが相手の好意に興ざめする。 相手の好意の真意に気づいた主人公の悲しい心情とは。

襟巻き巻いて、長い上着羽織って、仕上げに眼鏡を顔に乗せたなら、靴紐結んで風の中。 詩になりきれない言葉を弔ってやらなきゃならない。自分の生んだ言葉の墓は自分で掘ってやらなきゃな…

同級生たちが犬に影がないと騒いでいる。しかし、私にはしっかり影が見えていた。不思議だなあ。と思っていたら、急に靴紐が切れて、犬がバウ。と鳴いた。