<実話>お前呼びしている愛用の靴
黒月セリカ
靴紐がよく解ける話
初めまして!黒月セリカです!
覗きに来てくれてありがとうございます!
私の体験談を元に書いた、嘘のような本当の話を書いていきたいと思います。
信じる信じないはどちらでも良いです!
とりあえず、みんなに共有したいなと思い、朧げな記憶を思い出しながら、思い付きで書いてみました!!
それと、自分の体験談を話す小説なんて初めて書くので、所々書き方や日本語がおかしいです。
それでも良いよって方は是非最後まで読んで行ってください!!
◇◇◇
二年前、学生時代の友達(今でも交流ある。なんなら一昨日久々に会った)に、
「おしゃれは足元からだろ!?新しいの買えや!!」とハッキリと言われたのを今でも覚えている。
その一言に背中を押されて買った黒と白を基調としたシンプルな某メーカーのタウンシューズ。
色も良いし、履き心地も抜群だから、今でも愛用している。
だが、一つ大きな欠点がある。
それは、歩けば紐がほどけ、走れば紐がほどけ、止まっていても気づけば紐がほどけること。
しかも、変なタイミングに限って解ける。
紐が悪いのかと思って交換したり、友達に教えてもらった「絶対に解けない結び方」にしてみたりしたけど、効果なし。
なんでこんなことになるのか、いまだに謎。
今回はそんな靴の靴紐が解けた事によって、助かったかも...と思った瞬間を抜粋して三選紹介したいと思います。
◇◇◇
ある雨上がりの日のこと。めっちゃ混んでいる駅の中で、突如靴紐がほどける。
――ふざちぇんなぞ!おまっ、なんでここで解けるんだよ!ここ(某混んでいる駅)だぞ!?途中で止まれんって!!しかも、床濡れてるから紐汚れるだろうが!!
そう、心の中でオタクみたいに叫ぶ。それくらい、必死だった記憶がある。
そのまま歩くのも良かったけど、「あの人、靴紐解けたまま歩いてる、みっともないね~」なんて思われたくなく、一瞬の隙をついて、片足をあげて紐を靴の中に押し込んで平然と歩く。
そんなことを頻繁にしている。
やっと、混んでいる駅を抜けることができ、邪魔にならないように道の端にしゃがみ込み、かなりデジャブを感じるこのシチュエーションに飽き飽きしながらも靴紐を結ぶ。
――お前、もう、解けるんじゃないぞ!!今日雨上がりだから、地面汚いんだぞ!
と靴に対してお前呼びで内心で怒るように語りかけながら再び歩き出す。
その数分後の私は流石に解けてないよな―?やめなさいよー?
と子供をあやすような声で靴に話しかけながら、解けた方の靴をチラチラずっと見ていた。
片足をあげながら見てたし、多分傍から見たらエアーリフティングしながら歩いている変な人になっていたと思う。
そんなことをしながら歩いていると、濡れていたスチール製の何か(たしか橋の境目)を踏んで右足が滑りかけた。
「わっ!」と周囲に聞こえるほどの声を上げてしまったが、なんとか右足を踏ん張った。
大声を出しちゃったことで、チラチラ見られてたけど、転んで尻餅ついて怪我するよりは恥ずかしさレベル低いでしょと内心ヒヤヒヤしながら再び歩き出した。
今思うと、靴紐を気にしていたおかげで足元に注意が向いていて、なんとか踏ん張れたのかもしれないという話...
◇◇◇
別の日。電車に乗ろうと、軽く走っていた時。
――電車逃して10分以上待つの嫌すぎる!!
そんな事を思いながら焦っていた。別に乗ろうとしている電車を見送っても、何かに遅刻するわけでもないしで、特にに問題はなかったけど、あの時はなんか嫌!って思いながら走っていた。
そんな時、急に靴が緩くなった感覚を覚える。
走りながら軽く足元を確認すると、走っている勢いで紐がぴょこぴょこと宙に浮いているのが余裕で見えた。
――おいおい、なんでこんな時にー!お前、電車行っちゃうぞ!(別に見送っても大丈夫。n回目)
電車から降りてきたであろう人たちが前からゾロゾロ来たことで、
「あっ、確定で次の電車だわ」ってガッカリしながら、渋々降りる階段の近くで立ち止まり、邪魔にならんように隅に寄った。
――お前、今日何回解けたんだよ。これだから、こいつは...
そう口悪く悪態をつきながら靴紐を結び直し、いつものルーティンみたいに靴に話しかけようとしたその瞬間、階段から「バタバタッ!」と激しい音と悲鳴が聞こえた。
「え、事件...?」
一瞬身構えたけど、その後特に追加の悲鳴もなかったので、とりあえず恐る恐る階段を降りてみることに。
すると、階段下に女性が座り込んでいるのが見え、よく見ると、その女性のハイヒールが折れていた。
しかも、立ち止まろうかなーって思い立って隅に寄った直後、私を追い抜いて行っためっちゃ綺麗なお姉さんだった。
あ、このお姉さんもきっと私と同じ「次の電車に乗る界隈」の人だわ。
そんな、なかなか馬鹿なワードが頭をよぎりながら、靴紐を結び、じっと見てたので、間違いなくそのお姉さんだと確信した。
――何事だ?????
そう思いながら、流石に見過ぎるのも失礼だよなって思い切って声をかけてみた。
軽く話を聞いてみると、どうやらハイヒールが折れた衝撃でバランスを崩し、階段を踏み外したらしい。
幸い大きな怪我はしてなさそうだったけど、「話しかけたのはいいけど、どうすればいいんだこれ?」と動揺しながら、駅員さん呼びましょうか?って精一杯のフォローで提案してみた。
そしたら、「いえ、大丈夫です」とかなりキッパリ断られた。
その直後、お姉さんはハイヒールを脱ぎ出し、片手にヒールを持ちながら、さも普通に靴を履いているかのような態度で、平然と歩き去って行ったのは別の話。
いや、この時あまりにも堂々と歩く姿にビックリしすぎてこの時、お姉さんの後姿めっちゃ凝視してましたよ。
とりあえず、思い返してみるとあの綺麗なお姉さんより先に階段降りてたら私も巻き込まれていたかもしれないという話...
◇◇◇
またまた別の日の夜の帰り道。
あの時、私は比較的人通りが少ない道を歩いていて、赤信号が光る横断歩道に差し掛かった。
夜だし、車通りも少ないしで、人によっては渡っちゃいそうな状況だったけど、私はちゃんと立ち止まって青になるのを待ってました。
私良い子なんで(自画自賛)
――青になれー。はよなれー
なんて心の中で歌っぽく唱えていると、靴が緩くなる感覚を感じた。
まさかな……って思いつつ、パッと足元を見ると、靴紐が解けていた。しかも両足の靴紐が綺麗に解けている。
横断歩道差し掛かる前は普通だったじゃん!なんで立ち止まったタイミングで解けるねん。
しかも、靴紐が解けたのを確認したそのタイミングで青になるというトリプル不幸の連鎖。
「青になったし、一旦紐を靴に入れて渡っちゃおうかな...」なんて考えがよぎったけど、いやいや、さすがに両足とも解けてるのはやばいでしょって感じて、その信号を見送る覚悟でしゃがんで靴紐を結ぼうとした。
すると、目の前から明るい光とともに、ブオーンという音を立てて突風が巻き起こった。
なんだ、なんだ!?と思って顔だけ上げると、猛スピードで車が通り過ぎていくのが見えた。
完全に信号無視だ。
みなさん!夜の信号には気をつけようね!!
――あいつ、こちとら歩行者側の信号まだ青だぞ!!
って黙々と靴紐を結びながら一人で心の中で騒いでいたのを今でも覚えている。
家に帰ってから冷静に振り返ると、もしそのまま渡っていたら――と考えたら思わずゾッとした。
人生終了。享年〇〇歳になってたわ。
玄関で即座に脱ぎ捨てた靴に向かって手を合わせたのは言うまでもない。
私の靴の靴紐は、本当によくほどける。
そのたびに立ち止まらざるを得なくて、遅刻しかけたことも何度かある。
けれど、思い返してみれば、そのおかげで何度も危険から逃れてきた......よね?
本当にただの偶然かもしれないけど。
「この靴、ほどけるたびに私を守ってくれているのかな...?」
そう思うようになってからは、ここ数か月は解けても少しポジティブに考えるようにしている。
私とこのタウンシューズの奇妙な付き合いは、今日も続いています。
ポジティブに、なんて言いましたけど、大荷物+電車に乗り遅れそうだから全力ダッシュ中のダブルコンビに限って両紐解けるのやめてくれません??ガチで( `ᾥ´ )
いや、遅刻している私が悪いけど...
<実話>お前呼びしている愛用の靴 黒月セリカ @Serika-Kurotuki
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